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前回、クラスから孤立していた桜子は、親友3人との仲直りのために、仲裁に入るという古川に呼び出されて一人で体育倉庫に向かうが・・
(詳細は「高校生カップルの長い夏2」を参照」)
・・・
終業式の朝。
2年5組教室には琴音、陽菜、舞歌が3人が集まっていた。
「桜子、来ないね。」
「寝坊とかじゃない?」
すると琴音は
「私、桜子にライン送ってみたんだけどずっと未読スルーなの。」
舞歌は「そりゃそうでしょ。桜子も返信しないかも。」
陽菜は「別にいいんじゃない。放っていてもそのうち来ると思う。」
琴音は「そうだよね・・」
桜子と疎遠になったとはいえ、少しずつ不安になる3人。
・・・
6組では、古川が登校すると
「古川くん!彼女、今日休みだね?」
「そうそう!桜子が休むなんてどうしたの?」
女子が古川の近くに集まと古川は
「実は桜子さんが風邪をひいたようなんです。」
「そうなの?心配だね。」
古川はいつでも女子たちの注目の的だった。
・・・
その頃、2年1組教室で博正は考えごとをしていた。
「桜子・・」
桜子が孤独感に悩まされていること、その背後には古川がいること、何か起こるのではないかと不安だった。
博正は午前中、ずっとそのことを考えていた。
そして終業式が終わると、
「やっぱり心配だよな・・」
いつもなら昇降口で桜子と待ち合わせる博正だったが、直接5組教室に向かった。
その頃5組では、琴音、陽菜、舞歌がやはり桜子のことが心配で話していた。
「桜子、どうしたんだろう?」
「休むことなんて、全然なかったのに。」
舞歌も「私があんなこと言ったのが・・」
そして博正が5組教室を覗くとそこに桜子の姿がなかった。
博正は桜子とよく一緒にいる3人の女の子たちに
「なぁ、山倉どこ行ったか知らない?」
琴音たち3人が博正の方を向き
「桜子?休みみたいだよ。」
「そっか。」
すると陽菜が
「細野くんだよね?ちょっと待って?」
舞歌も「いろいろ聞きたいことがあるの!」
博正は驚いたように
「どうした?」
・・・
その頃、古川はコンビニにいた。
コンビニでいろいろなものを買い込む古川。
大きなペットボトルが3つ入っていた。
そこに不意に話しかける6 組の女子。
「古川くん、いっぱい買うね。」
「え?山中さんどうして?」
6組の花純は、同じく6組の玲奈と一緒にいた。
「今から、彼女のお見舞いに行くんでしょ?」
古川はニヤニヤと笑っていた。
「そうですね。」
「桜子も幸せだね!」
「嬉しいだろうなぁ。イケメンで優しい彼が来てくれたら!」
だが花純は、古川があまり病人向けでない普通のパンなどを買い、逆にヨーグルトのようなものは買わないのを見て、
「あれ?彼女も同じもの食べるの?あの子風邪でしょ?」
古川は少しビクッとしたが
「まあ、元気になったらお腹も減るでしょうし。まあ、そうですね。風邪ならスポーツドリンクとかも必要ですね!」
・・・
その頃、5組教室で博正と琴音・陽菜・舞歌が
「桜子が風邪で休んだって、古川や6組の子が言ってるけど何かおかしい。」
舞歌が言うと、博正は
「俺な、古川とも何度か話したことがあるんだよ。はじめのうちは警戒してたけど、よく見るといい奴だし、俺の悩みとか聞いてくれるし。同時に桜子の様子が何かおかしかったんだ。だから、桜子が古川と付き合ってると聞いたときはまさかと思いながらも疑ってしまって・・」
陽菜は「私たちと同じだね。今思えば、何で古川くんが私たちにも関わってくるのか考えるべきだった・・」
舞歌は「それはそうと、桜子はどうするの?今頃、家で閉じこもってるのかも。」
陽菜は「私たち4人で謝りに行こうよ!家の人にも事情を話してさ。」
琴音は「そうだね。謝って許してくれるか分からないけど。」
そして、桜子の自宅に琴音がスマホで電話をかけた。
「2年5組の井上ですが、桜子さんはいらっしゃいま・・?」
驚いた顔の琴音。
同時に不安になる周りの3人。
「そうですか。失礼しました。」
琴音が電話を切り
「桜子のお母さんが心配するような声で「桜子はまだ帰ってない」って。」
「本当に??」
・・・
「じゃあね。古川くん!桜子によろしくね!」
自転車の上で女子たちに微笑む古川。
古川は女子を見送ったあと、学校の方角に自転車を動かした。
古川は駐輪場に自転車を置き、コンビニの袋を持って周りを警戒しながら体育館の裏にまわる。
そして体育倉庫の鍵を開けて中に入っていった。
・・・
古川が体育倉庫を開けると・・
そこには、マットの上に腰掛ける制服姿の女子高生が囚われていた。
目隠し、猿轡をされ、手を後ろで縛られて胸縄もされ、足首も縛られていた。
長時間ずっと監禁されている女の子は、古川の足音にビクビクと震えていた。
そして古川は女の子の前まで来ると、彼女を眺めた。
女の子の制服のブラウスは汗で湿っていた。
縛られているために胸の膨らみが強調されてみえる。
長い髪が少し乱れているのが痛々しく、古川が奇妙な笑みを浮かべる。
古川は女の子の綺麗な脚や、ブラウスの胸の膨らみなどを眺め、息が荒くなっていた。
そのあと、古川は女の子に近づき、
「いい子にしてましたか?桜子さん。」
何を隠そう。
古川に監禁されている女の子は桜子だった。
古川は桜子を見てドキドキしていた。
綺麗な顔の輪郭、長い黒髪、胸の膨らみ、白い生足・・
逃げらないように厳重に縛られ、拘束されている姿に興奮する古川。
古川は桜子を見ながら妄想していた。
「桜子さん・・」
古川はズボンのベルトを緩め下半身を露出させた。
そして桜子を眺めながら、逸物を摩擦する古川。
桜子は得体の知れない物音にブルブルと震えていた。
古川はそんな桜子の姿にさらに息が荒くなった。
古川は桜子の体には触れず、視姦と妄想だけで興奮していた。
そして古川は手に持ったティッシュに、生暖かい液を放出した。
終わったあと、古川は桜子の目隠しを外した。
不安そうに怯えながらも古川を見る鋭い目。
桜子と目が合うと、ニヤりと不気味に笑った。
古川は桜子の姿を少し眺めながら
「つらいでしょう?暑いですしね。」
蒸し暑い体育倉庫の中で桜子は拘束されている痛みと喉の渇きに苦しんでいた。
桜子は朝、拉致されたときから水や食事を与えられず放置されていた。
古川は桜子をじっと見ていた。
可愛い女の子が縛られて、苦しそうにもがいている。
なかなかそそる光景だった。
古川は桜子の口元の猿轡を外した。
「はぁはぁ・・、み、水・・」
「分かってますよ!苦しそうですからね。」
2リットル入っているお茶を、縛ったまま桜子の口に注ぐ古川。
「こぼさないで下さいね。」
桜子は冷たいお茶がこれほど美味しいと思ったことはなかった。
2リットルあるペットボトルを半分以上飲み干す桜子。
ペットボトルから口を離す。
「よっぽど喉が渇いてたんですね。」
本当なら文句を言いたいところだったが、お茶飲ませてくれたお礼の気持ちと、下手なことをすると何も飲ませてくれなくなるおそれから大人しくしていた。
そのあと、古川は体育倉庫の中で道具を用意したりしていた。
目隠しと猿轡を外されていた桜子は黙っていたが、少し落ち着くと
「・・ねぇ、私をどうするつもりなの?」
「それはあなた次第です。あなたは僕に心を開くか、それとも・・」
「こんなことして何になるの?」
すると、古川は桜子の首元を掴んだ。
「うっ!」
桜子は首を締め付けられかねない強さに恐怖を感じた。
古川は縛られて動けない桜子を眺めて優越感に浸っていた。
そして、古川はまた桜子に目隠しと猿轡を嵌めた。
そのあと古川は桜子を抱いた。
まるで自分の彼女であるかのように密着して抱く古川。
桜子の胸などの体の感触が古川に触れ、古川はまた興奮していた。
桜子は鳥肌が立ち、ブルブルと震えていた。
そしてしばらく経つと、古川は桜子を拘束したまま倉庫を出て行った。
・・・
その頃、博正たち4人は
「桜子は家に帰ってないにも関わらず、古川は風邪で休んだと答えたんだ。 だから桜子と古川の間に何かあったということは間違いない!」
博正が言うと、琴音は
「まさか誘拐とか・・?」
「誘拐するにしても、どこに閉じこめておくの?古川は学校に来てるし。」
すると舞歌は
「古川って、一人暮らしなんでしょ?」
「ってことは、古川のマンションに桜子がいるってこと?」
陽菜が言うと、琴音は
「その可能性はある!誰か古川のマンション知らない?」
「ちょっと6組の子とかに聞いてみるよ!」
6組の子たちに片っ端から電話やラインをし、古川のことや桜子の足取りについて情報収集に奔走する博正と女子3人。
博正は自転車で、桜子が行きそうなところを片っ端からまわった。
同時に同級生を見かけたら聞き込みをした。
博正は文系クラスの1組女子グループに
「なぁ、桜子を見なかったか?5組の!」
女子たちは
「桜子!?さっき日菜からもラインで同じこと言われたけど?本当に見つからないの?」
「そうなんだよ!」
「どうして・・やばくない?」
舞歌も電話をかけるとともに、部活などで学校に残っている生徒に声をかけてまわった。
「桜子のことも、知らない??」
「桜子?見てないよ。」
「分かった、ありがとね!」
テニスコートから今度は体育館に向かってダッシュする舞歌。
舞歌が去った後でテニス部女子たちは
「ねぇ、桜子って大丈夫かな?」
「大丈夫じゃないと思う。ていうか、あの子は何も悪くないよ!」
「そうだよね!私も何で気づかなかったんだろう!」
「今頃、どこかでひとりで泣いてるのかもよ・・」
「そればかりか、まさか・・」
その頃、ライン電話を使っていろいろな子に電話する陽菜。
「私、陽菜だけど古川くんの住所とか知ってる?そうか・・ううん、ありがとね!」
琴音は「陽菜、見つかった?」
陽菜は「ううん。でも、友達も協力してくれるらしいし、うまくいくよ!」
琴音は「そうだね!」
そして舞歌のスマホに6組の友達から着信があった。
「舞歌!古川の家が分かったよ!」
「マジで!?」
「場所は・・」
そして、舞歌が博正と琴音、陽菜を呼び出し、舞歌は地図で印をつけたところを指差し、
「古川のマンションはここだよ!!」
4人は古川が住んでいるマンションに向かった。
「ここか。」
7階建ての小綺麗なマンションだった。
オートロック式なので古川が了承しないとなかには入れない。
「でも、どうする?」
舞歌は「何とか聞いてみない?みんな行くと怪しまれるから、誰か2人くらいで行かない?」
と言い、琴音と舞歌が古川の部屋を訪問し、日菜と博正はオートロック解除とともに一緒入り、何かあったら乗り込んでくるという役割分担に。
ピンポーン!
「はい!」
「5組の井上と森本です。同じクラスの山倉さんのことでちょっと聞きたいことが・・」
すると、古川らしき声はすんなり
「はい、いいですよ。どうぞ!」
オートロック解除とともに乗り込む4人。
舞歌と琴音が古川の部屋の前まで来ると古川がドアを開けて待っていた。
「こんにちは!」
古川が迎えた。
「お邪魔します。」
なかに入って行く舞歌と琴音。
舞歌は古川の部屋に物音や何か怪しいことがないか注意深く調べたが、特に変わったことはない。
古川は「桜子さんですか・・」
琴音は「あの子は、今日、風邪で休んだんだよね?」
古川はそうですが、何か?」
舞歌は「今日、桜子と会った?」
古川は「なんで、そんなことを聞くんですか?」
舞歌は「あなたがコンビニで食料品を買い込んでいて、6組の女の子たちが聞いたら「桜子のお見舞いに行く」って言ってたらしいけど!」
古川は「そうでしたね!もちろん会いましたよ!コンビニで買った差し入れを桜子さんの家に持って行きましたから。」
琴音は「桜子はどんな様子だった?」
古川は「熱で苦しそうでしたが、思ってたよりも元気でしたよ。」
舞歌は何か不審げに
「ふーん・・」
琴音は「ところで、どうして桜子が風邪だってこと知ってたの?」
古川は「だってあの子は僕の彼女ですよ?あの子からラインが来たんです!」
琴音は「じゃあ、そのラインを見せて!」
少し慌てる古川は
「個人情報ですよ?なんで見せないといけないんですか!?」
舞歌は「見せられない理由でもあるの?そこのラインだけでもいいから見せて!」
古川はスマホを守るように隠していた。
舞歌は琴音を見て
「まぁ、それはいいとして・・」
続けて舞歌は、
「桜子の家に行ったんだよね!桜子のお母さんとかには会った?」
古川は「いや、いませんでしたよ。桜子さんの両親は仕事中で桜子さんが風邪でもひとりでした。」
すると琴音は
「桜子の家に電話したけど、お母さんが電話に出たよ?」
舞歌は「そのときお母さんは家にいたんだよ!」
青ざめる古川、
「あれ、おかしいなぁ。もしかしてお母さんは他の部屋にいてお互いに気づかなかったのかな??」
琴音は「家の人がいるかどうかも分からない家に勝手に入る訳?あなたは?」
古川は「桜子さん以外留守だと思っただけです。いつもそうですから。あるいはお母さんがちょっと外に出てるときにお邪魔したのかも。」
続いて舞歌は
「私たちが電話をしたときには「桜子はいない」
って言われたの。
桜子は風邪を引いたままお母さんに何も言わずどこに行ったのかな?」
古川は「こう考えられませんか?桜子さんは僕が帰ったあとどこかに出かけた。そこにお母さんが帰って来て「桜子さんがいない」ってなる。そこにあなたたちが電話をかけたとか。」
舞歌は「嘘だね!」
鋭い言い方にビクッとなる古川。
続けて舞歌は
「さっき「桜子のお見舞いに行った」
ってあんたが自分で言ったんだよ!
私たちは「桜子が今日学校に行ったまま帰っていない」
ってお母さんに言われたの!あんたが桜子の家にお見舞いに行ったって認めること自体、嘘なんだよ!あんたが嘘をついてるのははじめから分かっていて色々聞いたけど、それだけの作り話ができるのも大したもんだね!」
琴音は「そういうこと!」
舞歌は「観念しなよ!もう言い逃れできないよ!」
古川は「だから、どうしろというのです?」
琴音は「お願い!家出でも何か事件でもいいから桜子の居場所を教えて!あの子が無事に帰って来るなら、あなたをこれ以上問い詰めるつもりもないし。」
すると古川は
「バレては仕方ないですね。」
と言ってスマホを取り出す。
琴音は「どういうことなの?」
古川は「今すぐ立ち去りなさい!桜子さんが無事でいてほしいなら!」
舞歌は「何なの?スマホなんかで?悪いけど脅しは効かないよ!」
古川は「あの子は僕の監視下にいます。あなたたちの行動次第では指一本で即座に彼女の命を絶つこともできるんです。それでもいいんですか?」
琴音はビクッとしたが、舞歌は冷静に
「どんなふうに?」
古川はニヤリと笑いながら
「それは想像に任せますよ。」
舞は古川の話はハッタリだと思ったが、桜子を人質に取られている以上安全であるという保証はない。
舞歌は少し落ち着いたトーンで
「桜子はどこにいるの?このマンションには他の部屋も含めていないよね!」
古川は「その通り!」
琴音は古川の言葉には半信半疑だったが、舞歌は
「嘘ではないね!あんたの目と口の動きでわかる・・」
古川は「大したもんですね。あなた。」
舞歌は「いいから、桜子のいる場所を教えて!」
古川は「教えてって言われて簡単に教えると思ってるんですか?」
すると古川はスマホをストップウォッチのモードに切り替え、
「今すぐ、ここを出なさい!あと、外で待機している友達と一緒にね。 このタイマーが3分になってもあなたたちががこのマンションのオートロックの外に出なかったら、桜子さんは死にます!」
そして、タイマーをONにする古川。
「1,2,3・・」
タイマーを見ながらカウントを始める古川。
「何なの!」
「舞歌、いいから逃げるよ!」
琴音に冷静に言われ我にかえる舞歌。
部屋から出ると陽菜が
「どうしたの?」
琴音は「このマンションから出て!桜子が危ないの!」
「どういうこと!?」
「いいから!!」
4人は急いで階段を駆け下り、全員がオートロックの外に出た!
「大丈夫だった?」
舞歌はスマホを出した。
さっき見たスマホの時間が17時35分に対して、今の時間は17時37分なので時間に狂いがない限りは大丈夫だが。
「大丈夫だとは思う。」
自分が死ぬ訳ではないので3分というタイムリミットがクリアできているか調べる術はなく不安になる琴音。
それに対し茶番だと確信する舞。
そして陽菜と博正は
「一体、何があったんだ?」
「ちょっとこっちに来て!!」
4人はマンションから見ると死角のマンションの入り口を監視できる場所に移動した。
「いい?古川のマンションをずっと見てて!」
「分かった。」
4人は古川のマンションの入り口あたりを見ながら、舞歌が今あったことを話した。
その頃、4人が脱出する様子を監視カメラ越しに見る古川。
ストップウォッチを止めて
「1分58 秒か、なかなかですね。」
古川はニヤニヤと笑う。
舞歌と琴音は古川の部屋であったことを一通り話し終えると博正は、
「そうか、確かに桜子はあそこにはいないみたいだな。じゃあどこに?」
舞歌は「分からないけど、古川はどこかに桜子を監禁してるんだと思う。」
陽菜は「一体、どこに?高校生の女の子をずっと監禁できそうな場所なんてそうそうなさそうだよ?」
琴音は「古川くんの共犯者が桜子を預かってるのとか違うの?車とか使えば遠くの街でも?」
すると舞歌は
「いや。桜子は案外、近くにいると思うよ!それに今のところは古川1人かも知れない。」
琴音は「え、舞歌。なんで分かるの?」
舞歌は「古川や6組の女子の話から気づかなかった?古川は水や食糧を買い込んでいた。それを古川は桜子のお見舞いに行くためって言ってたけど、でも、それなら必要最小限の買い物だけにした方が話としても自然。風邪をひいた女の子がすぐに大量に食べる訳ないし、第一そんなの家の人が用意するでしょ?」
琴音は「え?じゃあ、その食べ物を大量に買ったのって・・」
「そう。どこかに監禁されている桜子に食べさせるためのもの。まして、お茶とか飲み物をかなり買ってたっていうでしょ?これだけ暑かっ たら、命に関わるし。」
琴音はさらに
「ということは、桜子は割とこの近くにいるってことだね!」
「そうそう! で、古川がマンションから出てくるところをつけていけば、桜子のいるところが分かるって訳。」
「なるほど!」
だが、何十分待っても古川が出てくる様子はなく、あたりは暗くなっていた。
「ねぇ、いつまで待つの?」
すると陽菜が
「あの古川くん のことだもん。私たちがつけてくるリスクに気づいてると思うよ。ノコノコと入り口から出て来て、まっすぐ桜子のもとに向かうなんてしないと思う・・」
琴音は「私ももしかしてって思ったけど、そう簡単に行かないね。」
博正は「みんなも家の人が心配するだろうから、家に帰らないか?何かあったら連絡するから。」
陽菜は「でも細野くんは?」
博正は「俺はあと2時間は見ておく。古川を見つけたら連絡するよ!」
琴音は「ありがとね!助かるよ!」
その頃、古川はこっそり合鍵を作っておいたマンションの裏口の鍵を開け民家の間の抜け道から繋がる裏道を通ってマンションとは反対側から出た。
何の変哲も無い裏道がマンションに続いているとは普通はまず気づかない。
「甘いですね。あの人たちは・・」
古川は冷ややかに笑った。
・・・
その頃、桜子は体育倉庫でずっと囚われていた。
体育倉庫の中は照明がないが、外からの光が入り微妙に明るい。
桜子の下着や制服に汗が吸い込んで気持ち悪いし、手足をずっと縛られたままなので鈍い痛みがする。
しばらくして体育倉庫の扉が開き、古川が入ってきた。
古川は桜子の口の猿轡を外すと、
「ねぇ、トイレ・・」
「そうでしたね。ごめんなさいね!」
そういうと、古川は洗面器を持ってきて桜子に用を足させる。
このときだけ桜子は手足の拘束を解かれ自分で用を足す。
そのあと予め用意しておいたトイレットペーパーで大事なところを拭いて、服を戻したあと黙って後ろに手を後ろに回した。
そしてまた縛られる桜子。
古川に「抵抗したら用便は全て垂れ流しにする」
と言われているせいか大人しく従っていた。
そして水分補給をする。
「飲みたいだけ飲んでください。」
古川に言われなくてもそうするつもりだ。
桜子は喉がカラカラでずっと監禁されているため精神的にかなりきつい。
せめて水くらいは自由に飲みたい。
古川は、桜子の縛られて水を飲む姿がかなり興奮するようだった。
そして、桜子にパンなどの食糧を与える。
動かないので食欲はそれほどなかった。
そのあと、古川はまた桜子の口に猿轡をはめてどこかへ出かけた。
・・・
その日の夜・・
古川が体育倉庫に戻りランプの明かりをつけた。
マットの上では囚われの桜子が横たわっていて、古川の方を見た。
しばらく古川は制服姿でずっと縛られている桜子を眺めていた。
桜子は長時間手首と胸の周り、足首を縛られたまま苦しそうに悶えていた。
そのあと古川は桜子の猿轡を外した。
桜子は古川を見て、
「ねぇ、痛いの。ほどいて・・」
「ほどいたらどうするんですか?」
「どうするって・・」
「桜子さん、縛られているあなたはすごく綺麗ですよ。」
「どういうこと?やめてよ!」
古川は、胸縄で強調された桜子の胸の膨らみや後ろで縛られている手首を凝視した。
「桜子さん、その状態から脱出できますか?」
桜子はロープが解けないか試したが、固くてしっかりと結ばれているためビクともしない。
「できないから言ってるんじゃん!」
「そうなんですよ。あなたは今、動けない状態にされています。やろうと思えば僕があなたに屈辱を与えることも、命を奪うこともできるんです。」
ゾッとする桜子。
そのあとマットの上で
「いやぁぁ!」
縛られたまま、猿轡の中から呻き声を上げる桜子。
桜子はブラウスのボタンを外され、古川に悪戯されていた。
古川は桜子の胸をはだけさせた。
キャミの上から揉んだりして楽しんでいた。
そして古川は後ろから桜子を抱くと桜子の体に手を伸ばす。
「いやぁぁ!」
桜子は古川に両胸を揉まれていた。
そのあと、桜子のキャミソールの中にも手を入れて、桜子の体を存分に弄った。
さらに古川は桜子のブラのホックに手を伸ばしブラを外した。
そして古川は桜子のブラを引き、紐の一部が切れたブラを高く振り上げた。
古川の右手には、Dカップの桜子のブラが高く上げられていた。
ノーブラでキャミ姿の桜子は谷間や乳房の大部分が丸見えだった。
古川は桜子の体温の残るブラを顔に近づけると匂いを嗅ぎ悦んでいた。
それを見てゾッとする桜子。
そして、古川は桜子の胸元をしばらく眺めると、さらに古川は桜子のスカートに手を入れて桜子のショーツを触った。
そして桜子の秘部を弄り、さらに呻く桜子。
そのあと、古川は桜子のショーツに手を伸ばした。
(何するの!やめて!)
猿轡の中から呻く声も虚しく、桜子はショーツを脱がされてしまった。
そして古川は桜子のスカートの中に手を入れて、桜子の秘部を刺激した。
古川は前後に手を動かし、陰毛のあたりから尻まで往復させるように触れていた。
いやらしい手で大事なところを犯されて、桜子は発狂しそうだった。
そして胸元にも手を入れられ、桜子の乳房は古川の手でいやらしく揉まれていた。
大きくて柔らかい乳房!最高の手触りに興奮する古川。
そして、古川は下半身を露出させると、桜子の縛られた手首に逸物を握らせた。
桜子は鳥肌が立ちながらも、古川に脅され古川の不気味な棒をシゴいていた。
そして、いくらも経たないうちに古川は桜子の右手に射精した。
「はぁはぁ、気持ち良かったですよ。」
桜子は屈辱感に涙が止まなかった。
そのあとも古川に後ろから抱かれる桜子。
服は脱がされてないものの、ブラウスのボタンを全て外され、ショーツを脱がされ、足は裸足という半裸ともいえる姿だった。
桜子の脱がされたブラやショーツは古川がずっと匂いを嗅いだりして玩具にしていた。
そのあと、桜子はまた目隠し、猿轡をされて、古川に後ろから抱かれていた。
古川は桜子の縛られている手首を握り、キャミソールの上から胸元を撫でながら
「桜子さん。あなたは僕から逃げられないんです。少しずつでいいので、僕のこと見てください。」
桜子は絶望感から諦観しきった表情でシクシクと泣いていた。
翌朝・・
薄明るい体育倉庫の中で目を覚ます桜子。
はだけた制服に、彼女をきつく縛りあげるロープ。
マットの上で、桜子は2日間ほぼ縛られたままうつろな目をしていた。
そして桜子を眺める古川。
「起きましたか。僕はそろそろ出ていきますので。トイレには行けるようにしておいてあげますね。」
桜子は用便ができるように足は自由にされ、後ろ手と胸の周りを縛っている縄は別の長いロープで奥の柱につながれ、半径約3mしか動けず、便器には行けるが入り口には届かないようにされていた。
スカートの下は何も履いてないため、そのまま用を足せるという微妙な感じ・・。
そしてどこかに行く古川。
古川が出ていってから桜子は少し様子をうかがったあと立ち上がった。
裸足で床の上に立ち、体をきつく縛っているロープは解けそうにないがそれでも必死だった。
桜子は必死に体を前に伸ばすが、手首から伸びたロープで繋がれて、入り口に届きそうもない。
どんなに強く引いたり、ロープをほどこうと力を入れても同じだった。
そしてしばらくもがいたあと、桜子は崩れるようにその場に座り込み、横になった。
桜子は暑さと疲れから急な眠気に襲われ、そのまま気を失うように眠った。
・・・
「細野くん、古川はどうしてる?」
「古川がマンションから出てくる様子がないんだ・・」
この日、博正、琴音、陽菜は私服だったが、舞歌は部活のある日だったために制服で来た。
もちろん、桜子を探すことが優先だが、陽菜は
「どこかに抜け道があるのかな?」
琴音は「でも、古川くんがずっと家にいたなら、桜子はずっと監禁されたままなのかも・・」
舞歌は、「一刻も早く、桜子をさがさないと。細野は少し休んでてもいいよ!あまり寝てないでしょ?」
博正は「いいのか?悪いな・・。何かあったら連絡くれ!」
「分かった。」
琴音、陽菜、舞歌はマンション正面をずっと監視した。
陽菜は「桜子、大丈夫かな?今頃・・」
琴音は「そう、心配しないで!古川くんが水とか食糧をたくさん買ってるのを見たって言ってたでしょ?監禁されてるとはいえ、そこまでひどい扱いじゃないのかも。」
陽菜と琴音の話を聞きながら舞歌は内心、この暑いなか女の子を監禁するのはどう考えても、生やさしいものではないと感じていた。
どこか、人目のつかないところで閉じ込められたり、縛られて動けないようにされているのかもしれない。
水や食事を与えられているとしてもそれは死なないようにされているだけだ。
助かるかどうかも分からない生き地獄に彼女は苦しんでいるのだと。
・・だが、桜子のことをとても心配する琴音や日菜にはなかなかいえなかった。
その頃、博正は自転車を家に走らせていると、偶然古川を見かけた。
「古川だ!」
博正は、自転車で移動する古川を尾行した。
道はマンションの方角なので、どこかから戻る途中であろう。
やがて古川はマンションからは少し離れた狭い路地のなかに自転車を止めた。
「おかしいな。こんなところに用事?まさか、桜子がいるところとか?」
博正も自転車を少し離れたところに停め、こっそりあとをつけて行った。
すると狭い路地から、排水溝のような狭い通路に入って行った。
古川が去ったあとで博正が確かめると、狭い通路の先には、鉄格子のかかった扉があり、そこは例のマンションだった。
「古川はここからか!!」
博正は、急いで舞歌にラインをした。
琴音と陽菜はさっきまでと同じように正面の門を監視させる。
これは古川が正面から出てきた場合に備えるためで、その場合は琴音と陽菜が尾行することになる。
「来た!古川が来たよ!」
舞歌が小声で言うと、博正は
「いいか、バレないように追いかけるぞ!」
「分かった!」
博正と舞歌は自転車でどこかに向かう古川をこっそり尾行した。
「待って!あの方角って!」
舞歌が言った。
博正も「俺たちの学校だよな?」
「まさか、学校に桜子が?」
そして、古川は学校の門のなかに入って行った。
「とにかく行ってみようよ!」
古川は一度、校庭の方に向かっていた。
舞歌は制服姿、博正は私服姿で校舎内に入る。
本当は私服で校舎に入るのは禁止だが2人とも気にしなかった。
学校なら怪しまれないと思ったせいか少し油断した博正と舞歌だったが、古川が振り向いたとき博正と舞歌は古川に見られてしまった。
古川は何事もなかったかのようにしばらく校庭を進んだあと駐輪場に戻って、どこかに行ってしまった。
「しまった!古川、逃げたよ!」
すると舞歌はなぜかニヤリとした。
「どうしたんだ?舞歌ちゃん?」
「古川は一度学校に来たんだよ?だから、学校のどこかに桜子がいるかも知れないの。」
「そうか!でもさ、学校内で監禁なんてするか?」
「そう思うでしょ?そこが落とし穴なんだよ。まして今は古川がいない。絶好のチャンスだよ。」
舞歌と博正は、監禁場所になりそうなところを手分けして探した。
校舎内も探したが、怪しそうな場所はなかった。
「やっぱりいないよ!」
「校庭の裏とかは?」
そして、体育館裏倉庫の前に来た。
そこは体育祭の準備以外では開けない倉庫だった。
「ここに?まさかね?」
外からは中が見えず、当然入り口には鍵がかかっている。
「もしもーし、誰かいますか?」
「いたら返事してください!」
ドアをノックしたりなかに呼びかける2人。
・・・
体育倉庫の中で眠っていた桜子はドアの音に目を覚ました。
桜子は床の上で手を後ろに縛られて、口に猿轡をはめられていた。
「もしもーし!誰かいませんか。」
「誰かいたら返事して!」
桜子は口を塞がれながらもありったけの呻き声を出した。
「んー!んー!」
すると
「何も聞こえないよ?」
「やっぱりか・・」
桜子は繋がれたロープを引っ張りながら、声のするドアに近づいた。
聞き覚えのある声、それは、博正と舞歌の声だった。
「んー、(助けて!!)」
桜子はさらに叫ぶと
「何か声が聞こえたぞ?」
「え?」
(助かった!!)
そして猿轡をなんとか取ろうとした。
「桜子、そこにいるの?」
それは紛れもなく舞歌の声だった。
「んーんー」
すると
「やっぱり誰かいる。呻き声みたいなのが」
そして博正の声も
「桜子なのか?」
桜子は猿轡を必死に剥がそうと口元を動かした。
汗が染み込んだこともあって桜子は口の猿轡が外れ首元に落ちた。
そして桜子は
「博正!舞歌!そこにいるんでしょ?」
と叫んだ。
するとドアの向こうから
「桜子!!やっぱり桜子だ!」
桜子は
「お願い!助けて!縛られてて動けないの。」
舞歌と博正はそれを聞いてひどい仕打ちを受けている桜子の状況を確信した。
舞歌は「このドアは内側から開けられるかも知れない!なんとかできない?」
桜子は体を引っ張りながら
「無理だよ!ロープで柱に繋がれてるの!ドアまで届かないよ・・」
博正は「犯人は古川なのか?」
桜子は「そうだよ!」
そして舞歌は「細野!職員室か用務員室に鍵があるはずだから取って来て!」
「分かった!桜子を頼む!」
舞歌は、博正が行ったあともなんとかしてドアを開けようとしていた。
舞歌は「体の具合は大丈夫?」
桜子は「それは大丈夫だよ。」
ドアはなかなか開かなかった。
舞歌が何度かドアノブをガチャガチャしていると不意に後ろから肩を叩かれた。
舞歌は振り向き、
「よかった来てくれて!・・誰 ?・・・」
と言ったところで、舞歌はスタンガンのようなものを当てられ気絶する。
「舞歌!舞歌!何があったの?」
体育館倉庫の中から叫ぶ桜子。
・・・
そして、博正は管理人室のおじさんを呼んで体育倉庫に来た。
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管理人は訝しげに博正に付き添っていた。
体育倉庫の前まで来ると、さっきまでいた舞歌が何故かいない。
舞歌がどこに行ったのだろうと少し見回す博正だったが、まずはそれどころではなかった。
「嘘じゃないんだろうね?」
「はい。本当なんです!」
博正がそういうとドアを開く管理人。
だが中は誰もいなかった。
「ほら、誰もいないじゃないか?」
「え?そんな訳は??」
博正と管理人は中をすみずみまでみて人が隠れるような場所はなかったが、マットの上にはお茶のペットボトルがあった。
「この飲みかけのお茶、色からして最近のですよ?」
「誰か悪ガキが合い鍵か何かで忍び込んで遊んでるんだろ!」
「そんなんじゃありません!ここには女の子が・・」
「しつこい!ドラマの見過ぎか?そんな想像力はもっと別のことに使いなさい!」
そして去っていく管理人と博正。
つづく
-END-
『あしはらけいじ(25歳・♂)』さんからの投稿です
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●筆者より訂正
・花純と玲奈が古川とコンビニで会う場面で
「古川はニヤニヤと笑っていた。」とありますが、
「花純と玲奈はニヤニヤと笑っていた。」の間違いです。
古川は、思いがけず二人と会ったことでびっくりしています。
・「舞は古川の話はハッタリだと思ったが、桜子を人質に取られている以上
安全であるという保証はない。」
「それに対し茶番だと確信する舞。」
のように「舞」という名前が出てきますが「舞歌」の間違いです。
以上、訂正及びお詫び申し上げます。
今まで主人公って感じだった女の子が行方不明になって、監禁されているのがなかなかいいですね。
縛られて捕まってるシーンとかゾクゾクします。
適度なエロさの悪戯されるとこもいい雰囲気ですね。
後半の、縛られた姿で脱出しようと必死のところもいい感じです。