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だが、だんだん俺が指で触る音が粘着性を帯びてきたのと、たまにツボに入ったのか、里美が
「あ…」
とか
「ん…」
とか、かわいい声を漏らし出してきたので、俺は何か状況が変わり始めたのを実感し始めていた。
とはいえ、具体的には何も思いつかず、ただ漫然とこのままいじるのを続けているしかなかった…。
が、その時である。
再び里美の方からアクションを起こしてきたのだ。
里美は俺のチンコをいじくる手を休めると、
「…あのさ、今からKがびっくりしちゃうことしていい?」
と言った。
それはわざと口調を軽くしていたが、実は思い切って言ったという感じだった。
「え?なんだって?」
次の瞬間、“あれっ、なんだかチンコが生温かい”と思った。
一体なにをしてるんだろうと、自分の下半身を、首と顎を引いて覗き見た。
すると、なんと里美は俺のチンコを口の中に含んでいたのだ。
俺はびっくりして
「なにやってんだよ!」
と叫んだ。
里美は答えなかった。
俺も最初は驚きのあまり頭が空白になっていたが、すぐに里美のしている行為の名称に思い当たった。
(あ…フェラチオってやつか、これ)
里美は一端口を休めると、さすがに恥ずかしそうな上ずった声で、
「大人は…こういうポーズ(シックスナイン)になると、こんなことするみたい…だよ」
と言い、
「レディコミで、これ、してるの…あったの」
と付け加えた。
もちろん俺の読んでたエロマンガ誌にも、“それ”をしてるシーンは腐るほどあった。
実際、エロマンガ雑誌にせよレディコミにせよ罪なもので、単なる写真のみのエロ本より、はるかに膨大かつ偏った性知識を、ほんの小さな子供に与えてくれる。
そんなものが当時の日本では、コンビニなんかで好きなだけ立ち読みできるのだから、日本の子供は幸せなものだ。
行政もさすがにこのままではまずいと思ったのか、数年前にビニール紐がかけられてしまったが(それまで何年野放しにしてたんだという話だが)、代わりにインターネットがあるので、ニッポンの子供たちの幸福な状況は変わっていないと思う。
とはいえ、知識はあっても口でチンコを舐めるなど、信じられないという思いもあり、これはエロマンガの中の話だけで、現実にやる女が本当いるのかと疑っていたほどだった。
里美の方も、後で聞いた話ではかなり思い切った末だったそうだが、(お風呂で洗ったばかりなので…いいか)と、思い切ったらしい。
こうやって開き直ると、女の子の方が先にアクションする勇気と行動力がある。
だが俺は俺で、確かに指でいじくり合うだけなのは、さすがにもう飽きかけていたところだった。
そうなると当然、例によってエロマンガのシックスナインのシーンを思い出し、俺も里美の股間を舐めた方がいいのか…という常識的(?)な、発想が出てきた。
しかしさすがにそれは抵抗があったのでためらってしまったが、里美だけに舐めさせてるのも何か悪い気がしたので、中途半端な気持ちで
「俺も…いいのかな」
と、里美に向かって呟いた。
それは、(俺も舐めていいのかな)と(そんな恥ずかしいことしてもいいのかな)という、二つの意味を込めていたのだが、里美はそれを両方とも察したらしく、少し考えて、
「…もう、ばれちゃったんだし」
と、俺の方に首を向けてポツリと言った。
それは少しずれてる返事ではあったが、里美の言いたいことは理屈ではなく、感覚で何となくわかった。
要するに、俺も里美もとっくにある一線を越えて、互いの好奇心を全開にして、異性の性器を“探索”しているのである。
その好奇心…ぶっちゃけて言えばエロ心が、お互い、相手にとっくにばれてしまっていると、里美は言いたかったのだろう。
――結局、里美のその言葉が決定打になった。
もうここまでやってるんだし、後戻りすることはないと無意識下で思ったのだろう。
俺は思いきって、眼前の里美のワレメに向かって舌を伸ばし、まず恐る恐る先っぽでチョンと触れた。
その瞬間、里美は
「あ…」
と、これまで聞いた事のないような、かわいい声を漏らした。
(!)
まさにそれが引き金となって、俺は一心不乱になって里美のワレメを舐めはじめた。
いざクンニ(この単語は何故か当時は知らなかったが)を始めてみると、案外それは楽しく、エロチックな作業で、俺はつい我を忘れて没頭してまった。
いきなり俺が勢いよくペロペロ舐めはじめると、里美は
「あ、…それ…あ…ん……」
と、小学生のくせにめちゃくちゃ艶っぽい声を出しはじめた。
俺が里美のワレメをクンニするればするほど、彼女の中から透明の液体が溢れ出て来た。
(うわ、俺ら、チンコとマンコなめあってるよ)
その時はマンコと思っていたが、あくまで俺の舌先のターゲットは上のワレメであり、いわゆる女性器…膣…つまりマンコには手を、いや舌を出さなかった。
子供にとって“奥の穴”は、何かグロく、得体が知れず恐かったのと、当時の俺としては前に書いたとおり、女子の身体に一番エロチックさを感じていたのは、あくまで上のワレメだったのである。
「…あ…あっ……あ…」
と、里美はますます色気のある声を出して、それが面白くて仕方がなく、俺は夢中で里美の股間に顔を埋めて舌を動かし続けたが、彼女もヨガリ声を出しつつ、俺のチンコに対して手と口を休めなかった。
(里美の口ん中、すげえ気持ちいい…)
するとだんだん俺の方は、下半身がしびれるような奇妙な感じになってきて、何かおかしいなと思っていると、どんどん体全体から力が抜けてきた。
やがて里美が一生懸命に口の奉仕を続けてくれているのに反して、俺の方はだんだん里美のワレメを舐める作業が滞りがちになってきていた。
今考えると、俺のクンニよりも里美のフェラの方が、正しい知識がある分、テクニックが上だったのだろう。
そもそも俺の方は女の子の“本陣”に、舌も指も突撃させてなかったのだから当然ともいえる。
やがて俺が気持ちよさのあまり、目の前に里美の濡れたワレメが息づいているのにも関わらず、何もできなくなりつつあった。
(…なんか動くのダルくなってきた)
ほどなく俺は、いわゆるマグロ状態になり、ただ一方的に里美にフェラされてるだけになったが、里美は何も言わず、むしろ、前よりもっと懸命に手と口を動かしていた。
…後で思うに、どうやらこの時、里美は生まれて初めて、口を使って男をイカせるという事をやってみようと、決意していたのだと思う。
だから下手にクンニなどされていると、お口の作業に集中できなくて、かえって邪魔だったのかもしれない。
今思い返すと、この時の里美は、まだ唇で亀頭をしごくという点ではまだまだで、むしろ単に口にくわえているだけで、どちらかといえばチンコを持つ指の上下運動に頼っていたと思う。
むしろ補助的に…というより、気分的に(?)使っている彼女の舌で、俺の皮かむりの亀ごと口の中で転がされるのが、気分的にとてもエロチックで快感だった。
やがて、下腹部から何かがせりあがってくる感覚はますます強くなり、
(あ、なんかションベン漏れそう)
と思い、里美に警告するべきかと思ったその時だった、
「うっ…」
俺はチンコから白濁液を、すごい勢いで里美の口の中に発射していた。
「やべえ…出しちゃった…ションベン…」
俺は大慌てだった。
小学生にとって、おしっこを漏らすのはとてつもない重大事だったからだ。
が、里美が起き上がって俺の方を見て座り、俺も起き上がって彼女の口元を見ると、すぐに自分の出したものが、小便ではなく別のものであることに気がついた。
「……あ、もしかしてそれ…」
「………(ちょっと待って)」
里美は俺を手で制すと、目をつぶり、口の中の俺の白濁液を、思い切ったようにぐっと飲み込んだ。
(こいつ飲んだ!)
「……超まずい。漫画じゃおいしそうに飲んでだけど、ウソだった。…もうゼッタイ飲まない」
と、苦く渋い顔をして言った。
俺も別にショックでもなんでもなく、むしろ当たり前だと思った。
「……コレ、その、精子…だよな?」
と、自分で出したのにもかかわらず、俺は里美に問いかけた。
「…出たの初めて?」
「…たぶん。出るのは知ってたけど」
「出たとき、どんな感じだった?おしっこした時と同じ?」
里美にそう聞かれて、あらためて俺は、小便をした時とまったく違う感覚…奇妙な倦怠感と満足感、そして腹部に軽い痛みがあることに気がついた。
「違う…なんか腹の下が空っぽになって疲れたかんじ」
「そうなんだ。…漫画の真似してみたんだけど、なんとか出来たね」
と、里美は達成感のこもった感じで、誇らしげに言った。
(これがイク…射精ってことか…俺、里美に精子出しちゃったのか…)
と、俺も内心で理解すると、やがて里美の口にイッてしまったことに対して、気恥ずかしさと、奇妙な敗北感がジワジワ溢れて出してきた。
「あ、小さくなった。やっぱりシャセイすると小さくなるんだ」
と、里美はすっかり萎みあがったチンコを見て、俺の複雑な内心も分からず、ミもフタもないことを言ってきた。
「射精した時気持ち良かった?」
「まあ…」
最初はおしっこと間違えたとはいえ、本当はめちゃくちゃ気持ちよかったのだが、ここは相変わらずのつまらない意地で、控えめに答えた。
だがそれでも、自分の初めての目論見と実践が成功したせいか、里美は嬉しそうだった。
その時、俺はふとある疑問と好奇心を抱いた。
「…あのさ、女もそうなる…えーと、なにか出たりするのか?」
と、俺の方も、これまたミもフタもない事を里美に問いかけた。
確か、漫画では女も『イクッ』などと言っていたのを思い出したのである。
すると里美は、ちょっと恥ずかしそうに
「…たぶん」
と答えた。
俺はもっと強い好奇心が沸いて出てきて、
「…俺、それ、見たいな」
と、思い切って里美に言った。
「え…」
里美は一瞬呆然としたが、すぐに俺が何を言っているのか理解して、
「あのねー、なに考えてるの……スケベ」
と、かん高い声で、呆れたように言った。
「だって、俺だけなんてずるいし」
…何がずるいのか、今となっては意味がわからないが、この時はこういう理屈(俺だけ出すのを見られたのは不公平だ)が通じたのだから、子供同士のルールとは不思議なものである。
だが里美は里美で、俺だけ先にイカれてしまい、欲求不満な所もあったのだろう。
結局、ちょっとためらった後に、俺を見て、
「…絶対こっち見ないでね」
と言うと、器用に座ったまま、クルリと俺に背を向けた。
そして、しばらく何かためらっていたようだったが、やがて里美は手を自分の股間に伸ばし、何やら腕をもぞもぞと動かし始めた。
背を向けていたので、最初は彼女が何をしているのかよく分からなかったが、やがて鈍い俺も、
(あ、自分でいじってるんだ…)
という事に気がついた。
やはり自分でするのは他人に見せたくないらしい。
だがそれは当時の俺にもなんとなくわかった。
大人になった今でも、目の前でオナニーしろと言われたら、そういうシュミの人以外は男女共に抵抗があるだろう。
そして、どうやら俺がやるよりも、自分の方が快楽のツボが分かっているらしく(すでに里美はオナニー経験者だったのには間違いない)、その間にも里美は
「あ…」
「ん…」
などと、抑え気味ながらも悩ましげな声を漏らしていた
そんな声を目の前で出された日にはたまらないし、何よりも、
(うわ、里美が自分でマンコいじってる)
という事実を言語化して、頭の中で反芻すればするほど興奮した。
俺は自分の中の、一度はキュンと落ちたリビドーが蘇りつつあり、再び股間にどんどん血が通ってくるのがわかった。
そんな時、ふと里美が一端手を休め、首だけ廻して俺の方を振り向いた。
たぶん少しの間、背を向けていたので、背後で俺が何をしているかちょっと気になったのだろう。
俺は慌てて再びガチガチになったチンコを手でおおい隠したので、里美は不信な表情になった。
「…なんで(今さら)隠してるの?」
「…………」
里美の声を聞いて勃起したなんてバレるのは、これもまた相当に恥ずかしい。
「あ、もしかして」
と、里美は言うと、ちょっと慌てたような、そして怒ったような表情で、俺の腕を取ると、むりやりガードした手をはがそうとした。
「おい!」
「…あのさ、また大きくなっちゃったんでしょ」
「なってねえよ」
「じゃなんで隠すの」
などとやりあったが、結局、抵抗しても無駄で、見られてしまった。
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「……あ、やっぱり…」
里美は俺の再び元気になったチンコを見て、呆れたように言った。
「…………だってよ。仕方ねえし」
仕方ねえし…という俺の言葉に、里美も自分の自慰行為と、そこから漏れる声が原因だと察したらしく、
「ホントにKってスケベだね」
と、怒ってはいなくとも、複雑そうな笑い顔で言った。
「男ってわりとすぐに大きくなっちゃうもんなんだ…でも別に、いつも必死になって隠さなくてもいいのに…」
そして里美は、指で俺の勃起したチンコに軽く指を触れると、
「かわい」
と言って笑った。
「やめろよ」
「だってかわいいんだもん」
そう言うと、里美は調子に乗って、チンコを指で連打してきた。
既に俺を一度射精させたという強みもあり、こうなると、また主導権は里美のものに戻りつつある。
その時だった。
珍しく俺の頭に天啓(?)が訪れ、次の瞬間、ほとんど無意識に口が動いた。
「…あのさ、もう一回、さっきのやらねえ?」
もちろん、それはシックスナインのことである。
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