朝日の当たる土手を自転車で走らせる長い黒髪の女子高生。
クラス一二を争う程の可愛い彼女が桜子(さくらこ)である。
長尾川を越え坂道を登ると桜子の通う静岡県立の進学校にたどり着く。
教室に入り、
「おはよう!桜子!」
「おはよう!」
桜子と同じグループの琴音、陽菜、舞歌が桜子を迎えた。
琴音は「今日も体育、プールかぁ」
「いやなの?」
「なんか体育の時間、男子たちって私たちのことジロジロみてない?」
「考えすぎだよ~」
・・・
水泳の時間、桜子たちの反対側のプールサイドにいる5組・6組の男子生徒たちは、女子の水着姿を見ながら品定めをしていた。
「やっぱり山倉って可愛いよな!」
「桜子ちゃんか。あの子は言うまでもないね。胸もでかいし。」
端まで泳ぎ、一旦プールサイドを歩く桜子は、真っ直ぐな背筋に長い脚のスタイル抜群だった。
それでいて、水着の胸の膨らみが目立っていた。
桜子は男子たちの会話の内容までは聞こえてないようだった。
「俺も見た!山倉が屈伸するときって、谷間見えるじゃん?」
「お前も見てたのかよ。ま、俺は乳首も見たけどな!」
「嘘だろ?」
「ところで、他に可愛い子と言えば?」
「リナさん!」
「リナさん可愛いけど、ちょっとな・・山倉のグループにいる杉本って割と可愛いよな?」
「あぁ、陽菜ちゃん?でも飯沼と付き合ってんだろ?」
「まぁな。 てか、山倉って彼氏いるのかな?」
「山倉?知らね!ま、あんだけ可愛けりゃいるんじゃね?」
「そうかな?」
「どっちにしろ、お前じゃ無理だよ。」
「なんだって!」
・・・
そのあと、プールの自由時間。
「桜子??何やってんの!」
桜子はプール端にある梯子の手すりの上に立ちバランスをしていた。
琴音は心配と驚きで
「大丈夫?危ないよ!」
桜子は「平気だよ。落っこちたとしてもプールの上だもん。」
そのあと桜子はプールにドボンと飛び込むと、舞歌は
「じゃ、私も!」
陽菜は「舞歌も何かするの?」
「うん、見てて!」
舞歌はプールの中で逆立ちをして、腹部から下を空中に出し脚を真っ直ぐ伸ばしたまま5秒ほど静止した。
舞歌が元に戻るとゴーグルを着けたままニコニコと笑い
「どう?」
「すごいね!シンクロ?」
「まぁ、そんなとこかな!」
そんな女子たちの様子も男子はニヤニヤと見ていた。
・・・
授業が終わって帰る桜子たち4人。
期末テスト前なので部活はない。
4人はファーストフード店に集まった。
テスト勉強で来たはずだったが、4人はおしゃべりに夢中だった。
「ねぇ、舞歌!!」
舞歌にしがみつく桜子。
「どうしたの?桜子??」
「明日、なんかヤバいんだけど?」
「そんなこと言って、いつも桜子って成績いいんだから!」
少しムッとする舞歌。
琴音は、「でも桜子って理系志望で来たんじゃなかったっけ?」
桜子は「私は音楽学部志望だから文理とか関係ないし。理系の方が面白そうだから選んだけど、数IIBとか化学とかあんなにきついって思わなかった。」
すると陽菜は微笑みながら
「だからいいんじゃない。私も数学とか化学とかの勉強って難しいって思うけど後悔はしてないよ。」
舞歌は陽菜に「陽菜も元から理系志望?」
陽菜は「うん。私は医療系を目指してるの。出来ればお医者さんになりたいけど、他にも看護師とか医療事務とか。」
琴音は「そうなんだ。陽菜にあってる感じがする!」
陽菜はにこやかに「本当??嬉しいな。琴音は?」
琴音は「私は日菜と少し近いけど、生物学を学びたいの。発生とか遺伝とか。」
舞音は「へー、いいね。楽しそう!」
「ところで舞音は?」
舞歌は「私は物理の先生を目指してるんだ!」
桜子は「そうなんだ!いいね。それで剣道部の顧問とか!!」
舞歌は「その通り!」
そのあと、4人は自転車で家に向かった。
「じゃあね、桜子!」
「バイバーイ!」
・・・
桜子が家に着く頃、あたりは夕闇が迫っていた。
「ただいまーー」
「おかえり!」
母の由紀子が迎えた。
桜子はいつものように階段を上がり、自分の部屋に向かった。
桜子の部屋は本や楽譜、CDなどが散乱し、床の上にも物が置いてある。
「分かってるけど、きりがないんだよね・・」
本を片付けるというよりは右から左へと動かし足の踏み場を作っているだけだった。
「私、いつもこうなんだよな・・」
着替えている途中で腕を組みながら考え事をしていた。
するとドアをノックする音が聞こえ、由紀子が入ってきた。
「桜子、ごはんだっての聞こえ・・何やってんの?」
桜子は上半身はボタンを外したブラウス姿、下半身はショーツのみでベッドの上に横たわっていた。
スカートは床の上に脱ぎ捨てられていた。
「え?」
「もう高校生なんだからちゃんとしなさい!制服もシワになっちゃうでしょ?」
「はーい。」
由紀子は不機嫌そうにドアを閉めると、桜子は起き上がりながら
「なんで女の子だからってちゃんとしないといけないんだろ・・」
と言い、長い髪を触りながら、胸の膨らみを何となく見てしまう。
夕食は由紀子と二人だった。
父の利夫は仕事で帰りが遅くなることが多い。
夕食はハンバーグで、桜子は肉類が大好きだった。
夕食を食べながら由紀子は
「明日、テストでしょ?何のテスト?」
「数学Bと化学だよ。」
由紀子は不安そうに
「大丈夫なの?勉強してるの?」
桜子は「大丈夫だよ。それくらい。」
実際にはあまり勉強してない桜子だが・・。
・・・
夕食のあと机に向かい、初めて(?)テスト範囲の紙を広げる桜子!
「化学は、映像で見たことが出るんだよな!ナトリウムは水に入れると・・」
復習などをあまりしない割にはよく覚えていた。
「数学はベクトルか・・。早い話、終点が同じならいいんでしょ?」
桜子は感覚的に独特な解釈をする。
何問か練習問題を解いたあと、
「桜子!お風呂入りなさい!」
由紀子の声が聞こえ、
「はーい!」
桜子はタオルや洗面用具を持ち風呂場に向かった。
風呂場の前で、父の利夫と会った。
利夫の髪などが濡れていることから風呂上がりなことが想像できた。
桜子はいつの間にか仕事を終えた父に
「おかえりなさい。」
「あぁ。桜子、元気か?」
「うん。」
利夫は桜子の後ろ姿を何気なく見ていた。
桜子は父が入った後の風呂でも顔色ひとつ変えずに入る。
桜子は脱衣場で服を脱ぎ、風呂場に向かった。
洗い場で全身にボディーソープをつける桜子。
白い肌にDカップある大きな乳房、それでいて痩せているお腹、薄い毛の生えた陰部、形のいいお尻と桜子はすっかり大人の体になっていた。
桜子は体を洗いながら、まだまだ幼さの残る内面に複雑な気持ちだった。
風呂に浸かりながら
「あぁ、気持ちいい~」
至福の時間。
しばらくバスタイムを楽しんだあと、桜子は部屋に戻った。
・・・
翌日。
2時間目の化学の試験終わったあと、
「終わったー!桜子、どうだった?」
「まあまあできたかな!」
「そっか、良かったね!」
琴音、陽菜、舞歌も思っていたよりも手応えがあったようだった。
・・・
その日の放課後、桜子は急ぎ足で昇降口に向かっていた。
「お待たせ!博正!」
「待ってたよ!」
ニヤリと笑う博正。
博正は文系クラスの男子で、ふとしたことから桜子と知り合った。
桜子と博正は自転車でショッピングモールに向かった。
ラーメン屋で昼食を共にしながら、
「そっか、化学かぁ。1年ときの化学基礎でも全然分かんなかったからなぁ。」
「うん。博正は古典とか日本史とかできた?」
「まぁ、得意っていうより興味あるからね!でも、桜子みたいに女の子で理系ってなんかかっこいいな!」
「言ったじゃん。私は音楽系だから本当の意味の理系じゃないって。」
「それでいて、成績結構いいんだろ?羨ましいよ!」
そのあと、2人は公園で時間をしばらく過ごしたあと、家に向かった。
・・・
数日後・・
「ウソ!93点??」
「やったじゃん!桜子!!」
桜子の化学のテストは93点であった。
平均点は58点だから、簡単に取れる点数ではない。
休み時間に
「桜子ぉ!どうやったら93点なんて取れるの?」
舞歌が聞くと桜子は
「知らないよぉ!だって前日にちょっと復習したぐらいだもん。」
「マジで?」
陽菜は
「私も桜子に負けちゃった。」
琴音は「え?陽菜が?何点??」
「87点。」
「全然いいほうじゃん!」
その日は放課後に吹奏楽部の練習があり、夏休み中のコンサートに向けて遅くまでかかり桜子が帰る頃は夏場とはいえ暗くなっていた。
階段を降り下駄箱に向かうと、
「山倉桜子さんですか?」
不意に声をかけられた。
相手は割とイケメンな男子だった。
「そうですけど、どちら様?」
「僕は2年6組の古川匠といいます。」
桜子は、見慣れない男の子が同級生でしかも隣のクラスの子であることが意外に感じた。
「2年生なんだ?何か用でも?」
桜子はもしかして告白か何かかなって思ったが、古川は
「山倉さん。化学のテストで93点でしたね。」
桜子は
「だからどうしたの?まさか、カンニングしたとでも?」
すると古川は
「違います。僕はそんな失礼なことを言うつもりはありません。僕は化学のテストで98点でした。でも、あの先生のテストで90点以上取れる人はそうそういないのです。今回のテストでも90点以上は僕とあなただけでした。」
桜子は、古川を内心変な奴だなって思っていた。
「何を言いたいの?まさか運命だとでも?」
「山倉さんのこと知ってるんですけど、とてもガリ勉タイプではありません。でも、あなたは93点を取ってしまった。つまり、あなたには化学の素質があるのです。」
「あんた、予備校か何かの回し者?」
「山倉さん、覚えておきなさい。出る杭は打たれるってことをね!」
古川はそう言うと去って行った。
「何、あいつ??」
桜子は帰り道でも、家に帰ってからも古川という不思議な男の子のことについて考えていた。
何が言いたいんだろう。
あの子??
・・・
翌日
「え?何それ??」
琴音が言った。
桜子は不思議そうに
「大体、古川なんて子いたっけ?」
というと舞歌も「私も初めて聞いた。なんか気持ち悪いね。」
すると陽菜は「古川くんって子、確か2年からの編入生だよ。6組の子から聞いたけど、ずっと海外にいて英語がペラペラですごい頭いい子だし、家もお金持ちなんだって。」
琴音は「でもなんでそんな子が瀬名高に?」
「古川くんは飛び級ですでにアメリカの高校を卒業してるの。東大を目指してるけど日本の大学は18才にならないと入れないし、日本の大学に合わせた受験勉強もあるから帰国したとか聞いた。もともとの実家は静岡だけど、家族はアメリカにいるから今は一人暮らしらしい。」
「頭いい子って何か違うね。」
桜子はボソッと言った。
舞歌は「でもさ、知り合いでもない子が桜子の点数を知っていて、わざわざ話しかけてくるなんておかしいよ!ストーカーなんじゃない?」
「そう!やっぱり変だよ!気持ち悪いよね。」
・・・
数日後。
その日、授業は午前中で終わりで午後から部活のある日だった。
桜子は博正とともに校舎から出てくると、入り口から見て駐輪場と反対側から喧嘩をしているような声が聞こえた。
「博正!」
「分かってる。様子だけでも。」
桜子と博正は声のする方に向かった。
物陰から見ると、なんと古川が不良っぽい男子3人に囲まれていた。
「古川だ。」
「知ってる人?」
「うん、6組の。編入生らしいよ!」
桜子たちは声を潜め、古川たちのやりとりを聞いていた。
「おい、古川!てめえ、誰に向かって口聞いてんだよ!」
「暴力はいけません。分かりますよね。」
妙に落ち着いた口調の古川。
すると不良は「うるせぇ!てめえなんかに説教される筋合いはねえんだ。」
「こいつ、痛い目に合わないとわかんねぇようだな。」
男子3人はさらに古川に近づき今にも殴りかかろうとしていた。
博正は小声で「桜子、俺はあいつらを止める。お前は危ないから逃げろ!」
「待って、博正!」
「どうした?」
「あの子、古川って奴は普通じゃない。痛い目にあうのはあいつら3人だよ!」
「なんだって?」
そして飛びかかる3人。
だが桜子の予想と反してボコボコにされる古川。
古川は倒れそれでも蹴り続ける3人。
「ほら、言った通りだろ!」
と言って博正は飛び出した。
「やめろよ!」
博正が大声を出すと、3人は振り返り
「なんだてめえ、こいつの仲間か?」
すると桜子も博正の後ろから出てきた。
「やめなよ!!」
桜子も3人とは面識がなかったが、3人は止めに入ったのが予想外に可愛い女の子であることに驚いた。
そして、これ以上やると面倒そうなことに気づいたのか、
「分かったよ!女に言われちゃしょうがねーな。」
「古川!この子がお前の何か知らねえが、感謝するんだな!」
3人は去っていくと、古川に駆け寄る桜子。
「大丈夫??」
「桜子さん。ありがとうございます!助かりました。」
古川はなぜか桜子のことを下の名前で呼んだ。
一瞬顔がひきつる博正。
「古川!何があったの?」
「ちょっとしたことです。僕があの人たちのことで・・」
すると博正が近づいてきて古川の体を持ち上げ
「大丈夫か?血は出てないみたいだな。」
博正は会話を割るように入ってきた。
「桜子さん・・」
博正は古川に
「歩ける?」
「大丈夫ですよ。少し休めば。それよりあなたたちはもう行ってください。あなたたちも仲間だと思われますよ。」
古川が言うと桜子は、
「うん、じゃあいくね!気をつけてね!」
古川からだいぶ離れたところで博正は
「なぁ桜子、あいつ変じゃなかったか?」
「やっぱり?私もそう思う。集団で殴られた割には妙に落ち着いてるし。」
「あいつの体を起こしたときかなりの筋肉質だった。3人が相手とはいえ、そう簡単に負ける訳ないんだよな。」
「じゃあ、わざと負けたってこと?」
「 そういうことになる。大体古川って何者なんだ?・・」
「博正。それはね・・」
桜子が古川について一通り話すと
「マジで?そんなヤバい奴なのかよ!」
「うん・・」
「とにかくあいつには構うな!何かあったら俺に連絡しろ!」
そのあと、桜子は博正と一緒に自転車で帰って行く。
そして博正の家に行くと、部屋でゆったりとする2人。
2人は制服姿で抱きあっていた。
「なぁ、桜子。あの古川って奴とは本当に何もないよな?」
「どういうこと?」
「いや、古川の態度が気になってさ・・」
「私があんな奴といい感じになる訳ないでしょ?」
すると、博正は桜子を強く抱き
「桜子は誰にも渡さねーぜ!」
「あぁん、博正・・」
そのあと、さらに抱き合う2人。
ベッドの中で2人がまぐわっていた。
仰向けの桜子の体の上に博正が乗り、下腹部に逸物を擦り付ける。
博正は桜子の谷間をペロペロと舐めながら豊満な乳房に顔を挟まれていた。
そのあと、博正は桜子の谷間から少しずつ舌を動かし、桜子の首筋を舐め、口元まで近づけると、桜子の唇を奪い舌を入れる。
2人は息を荒くしながら舌を絡ませていた。
そして、また桜子の乳房に手を伸ばす博正。
博正は桜子の豊満な乳房を何度も弄っていた。
桜子の形のいいおっぱいを揉んだり、乳首を指で摘んだり、弾いたりしていた。
桜子は嬉しそうに喘いでいた。
その博正が仰向けになり、桜子が博正を見下ろす。
桜子は乳房を揺らしながら博正の逸物を掴んで刺激していた。
「あ、あぁ、すごくいいよ!」
「私も!ドキドキする・・」
「ああんん、あぁ、あ、ん!!」
桜子は気持ち良さそうに喘いていた。
そして、桜子の中に挿入する。
果帆はとても感じているのか、大きな声で喘いでいた。
そして博正が腰を振ると、桜子は
「あっ、あっ・・・」
と喘ぎ、おっぱいが揺れていた。
博正は桜子を抱いてずっと掘っていた。
そして、桜子の感触に絶頂を迎え、盛大に射精した。
桜子は嬉しそうに博正を見ていた。
そして、博正は桜子の肩に手を乗せてしばらくまったりしていた。
桜子は目を閉じて博正に体を寄せていた。
そのあと、2人は服を着た。
桜子は何事もなかったように下着や制服を着て、博正は私服に着替えた。
博正は桜子の制服姿や顔を見て、何度見ても飽きない素敵な女の子だと感じていた。
そして、桜子を送っていく博正。
「もうすぐ夏休みだね!」
「いろいろ楽しみたいよね!」
「高校生だしさ、今しか味わえないことって沢山あると思う。」
「そうだよね!」
そんな、ドキドキワクワクの夏を期待する桜子だった。
そんな希望通り、これから2人にいろいろな転機が訪れるのはまだ知る由がない。
窓を開けると、外はまだ明るかった。
太陽の傾きからまだ2時間以上は外が明るそうな感じだ。
こんな天気が毎日続く長い夏。
桜子や博正にとって、毎日いろんなことがある夏はまだまだ続いていた。
つづく
-END-
『あしはらけいじ(25歳・♂)』さんからの投稿です
ありがとうございます。
※筆者より訂正
一部誤植がありました。
誤「果帆はとても感じているのか、大きな声で喘いでいた。」
↓
正「桜子はとても感じているのか、大きな声で喘いでいた。」
ご迷惑をお掛けしました。
※筆者より訂正2
誤 舞音は「へー、いいね。楽しそう!」「ところで舞音は?」
↓
正 舞歌は「へー、いいね。楽しそう!」「ところで舞歌は?」
「舞音」という名前が出てきますが、「舞歌」の間違いです。度々失礼します。