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こりゃきたよ!マジで!
人生初の女性からのお願いっすよ!
エッチな場面での!
元彼女は決してそんなこというタイプじゃなかったし、女性からそんなお願いがあるなんてAVでしかないと思ってた俺は超舞い上がったね。
3cmぐらい(低っ!)。
ぼっーっとしてる俺に由香さんが更に追い討ちをかける。
正に波状攻撃。
「ダメ・・・?」
いや、ぜんぜんダメじゃないっす!
固まってる俺をみて、誤解をした由香さんがふただび言ってきた。
「いや・・・?ダメならいいんだけど・・・」
「いっいや・・・ぜんぜんダメじゃない・・・」
やっと返事ができた。
「ほんとに?いやじゃない?」
「ホント、いやじゃないです」
「さっきから避けてるみたいだったから、いやなのかなぁ~って思って」
おぉ~超ミステイクっ!
焦らし作戦のつもりであえて避けていたのに裏目にでたっすよ!
頭に血が上って、真っ赤なシャー・アズナブル状態だった俺は自分で立てた作戦も忘れ夢中になってたよ。
せめてキャスバル兄さん状態だったら、自分を客観的に見れたのに。
しかしそんなガンダムねたを由香さんに言っても分からんだろうし、ガンオタって思われて引かれるわけにもいかないので、俺は一言だけ言った。
「そんなことない」
決まった?
この台詞決まったっしょ?
言われたことは素直に行動に移す俺。
起こした体を再び寝かし由香さんに軽くキス。
キスをしながら左手で由香さんの右胸を包み込みようにしてまさぐる。
飛び石みたいに唇から首筋、さらに鎖骨部分へと軽くキスをしながら移動。
僅かな胸の膨らみが唇に伝わってきた。
あまった右手で、由香さんの左胸を寄せるようにし、更に少し大きく口を開け、乳房を軽く唇で挟むようにする。
乳房を口に含みならが、舌で舐めまわす。
「ぅう~ん・・・」
再びハスキーな声。
乳房の周りから徐々に中心へと移動する舌。
大きく大きく乳首の周りを円を描くように動く舌。
この時、俺の舌に神が宿ってるの!?って気がするぐらい器用な動きをしてたと思う(まっ自画自賛だけど)。
すべすべしていた肌の感触とは明らかに違う感触が確かに舌に伝わった。
乳輪の感触だ。
もう焦らすのはいい加減いいでしょ。
俺は一気に乳首を口に含んだ。
「あっうっ・・・」
俺の突然の攻撃に、体全体で反応する由香さん。
俺の肩にまわしてた手に力が入るのが分かる。
この時爪を立てられちょっと痛かった。
乳首を軽く噛んだり、舌で転がすように愛撫を続ける。
「あっ、あはぁ~・・・んんん・・・んっはぁ~」
由香さんの息遣いがだんだんと荒く、早くなってきた。
「んっ、はぁ~はぁ~、んっ・・・はぁっ~~~」
あぁ~もうっ~!
この時の由香さんの声の表現がうまくできん!
言葉では言い表せないけど、超色っぽかったし、可愛かったよ。
しばらく口で攻撃した後、俺は再び体を起こし、両方の乳首を指でこりこりし、ジュニアで由香さんの秘部を攻撃した。
「あんっ・・・うんっ・・・いっ・・・いっ・・・もっ・・・もうっ・・・」
この時俺達は、フローリングに敷いてあった白いモコモコな絨毯(よくヤンキーが車のダッシュボードの上に飾ってるやつあるでしょ?それのもっと高級なやつ)の上で愛の営みをしてたんだけど、由香さんその絨毯を思いっきり握り締めてるんだよね。
なんかその光景がすっごくエロチックに見えたよ。
何度かジュニアを上下させている時にアクシデントが起こった。
ヌルンッ。
「あっうっ」
ヤベっ!
勢いあまって入っちゃったよ。
焦る俺。
どうしよ?
「・・・ごめん・・・・」
生挿入したことを謝るつもりで俺は言った。
「ふぁっ・・・?」
突然話しかけられビックリしたのか由香さんちょっとお間抜けな返事。
まぁ~この返事も萌えなわけだったけど。
「どうしたの?」
「いや・・・ゴム・・・付けて、ない・・・」
「いいよ」
えっ!?
由香さん今なんて言いました?
幻聴かと思い確認するために聞き返した。
「えっ?」
「だからいいよ。そのままして」
うぉりゃ~~~~~~~~~!!!!!!
これまたキタよ!
今日何度目のキタだこりゃ?
数えるのマンドクサなので数えんがかなりの数きてっしょ!?
生でできることの喜び以上に由香さんの「そのまま“して”」の“して”って言葉にズキューンと来たよ。
普通こういったとき“して”じゃなくて“やって”って言わないか?
それとも“やる”とかって男しか使わない?
そんな統計をとってる場合じゃないんだが、とにかく“して”って言葉にきた!
俺の心の琴線に触れた。
急に由香さんが愛おしくなった。
俺思いっきり由香さんのこと抱きしめたよ。
そこでまた由香さんの爆弾発言。
「もっとぎゅ~ってして」
俺、ホント頭おかしくなりそうだったよ。
のぼせて鼻血がでるんじゃないかと思ったよ。
言われたことには素直に従う俺。
でもこれ以上力を入れたら由香さん折れるんじゃないか?と本気で思ったので、ほんの少しだけ力を入れて抱きしめた。
「ありがと」
やっぱ由香さんいいよ。
こんな人、他にはいないってぐらい俺のツボにはまったよ。
抱きしめ、挿入したまま告っちゃおうかと思ったが、さすがにこのシチュエーションはまずいと思ったので思いとどまったけどね。
キスをしながら腰を軽く動かした。
「ふっ・・・うん・・・ふっ・・・」
口を塞がれているのでちょっと苦しそうにな息遣いをする由香さん。
由香さん、定番の舌遣いも忘れてたのか俺のなすがまま。
舌を絡ませるが、チョロチョロと軽く動かすだけ。
「あっ・・・あ・・・ふっ・・・んふん・・・」
やっぱちょっと苦しそうだ。
俺にはMっ気は全くないので苦しむ姿を見てもなんとも思わない。
むしろ逆に、悪いことしちゃてるのかな?って思っちゃう屁たれなタイプ。
俺はキスをするのをやめ耳を攻撃するべく唇を離した。
「んっはぁ~~~はぁはぁ・・・んっはぁ~」
大きく息を吐き出す由香さん。
やっぱ苦しかったんだ。
ごめんね、由香さんと脳内で謝りつつ耳攻撃開始。
耳をカプッと軽く噛む。
「あん・・・」
耳を攻撃しながら、腰も動かす。
前後、左右、突いたり、グラインドさせたり。
「ん、んんっ~んはぁっ・・・あん・・・・きゃぅ・・・」
由香さんの中、超気持ちいい。
生でしてるってこともあるけど、ホント下半身がどっかいっちゃってるような気がした。
ジュニアが今、どんな状態なのか分からん。
大きいままなのか、小さくなってるのかマジ分からなかった。
ただ、ぬるいなぁ~って感じたのははっきり分かった。
普通こういった時って熱いって表現するかと思うけど、熱いってほど由香さんの熱を感じることはなかったよ。
ぬるい。
この表現が一番適切。
それと贅沢をいうなら、もう少し愛液が少ないとよかったと思う。
とにかく、あふれてくる量がすごい。
そのせいでイマイチ摩擦が少ない気がした。
でも、俺の行為でこんなにも感じてくれてるんだと思うとうれしくもなったけどね。
「あっ・・・いっ・・・やっ・・・あっ・・・んっ・・・」
俺が由香さんの中を突くのに合わせるかのように、ハスキーな声を発する由香さん。
「んっ・・・はぁはぁはぁ・・・あっ・・・い、いやっ・・・」
由香さんの息遣いがどんどん早くなってくる。
その声に同調するように俺も腰を早く振った。
やっやばい・・・もう我慢できない、これ以上動いたらいきそうだよ。
「ゆっ由香さん・・・もっもう、俺、我慢できないよ・・・」
この時初めて由香さんって呼んだ気がした。
「いっいいよ・・・」
えっ?
いっいや・・・いいよじゃなくて、俺どこに出せばいいの?
「あっ・・・いっていいよ・・あっ・・・あんっ・・・」
「えっ・・・いや、どこに出せば・・・」
やばい超限界。
「あっ・・・んっ・・・そっそのまま・・・ん、いいよ・・・」
もしかして中に出していいのっ!?
そう聞こうとした瞬間、ジュニアが猛烈に熱くなった。
内部から火傷すんじゃないかってぐらい熱いものが流れ出した。
その流れを止めることはできなかった。
どっくん、どっくん、どく・・・どくどくどく・・・
永遠に続くんじゃないかってぐらい、俺のジュニアは脈打ってた。
いった瞬間にどっと汗が吹き出てきた。
脈打つジュニアよりゆっくとした動きで腰を動かす俺。
徐々に徐々に動きがゆっくりとなり、やがてその動きが止まった。
「んっはぁはぁはぁ・・・んっ・・・ぜっはぁ・・・」
「はぁはぁはぁ・・・んはっ・・・はぁはぁはぁ・・・」
俺の息遣いよりいくらか静かに呼吸をする由香さん。
呼吸するたびに由香さんの胸が俺の胸を押し上げる。
硬い小さな突起が俺の胸に当たる。
ちょっとくすぐったかった。
やがてお互いの呼吸が落ち着き、静寂がおとずれた。
なんか急に恥ずかしくなったよ。
「・・・」
「・・・」
お互い無言の中、時が静かに過ぎる。
なんか恥ずかしくて、動くことができなかった。
時折、ジュニアがいった後の痙攣みたいに感じで小刻みに震える。
「ぁっ・・・」
その動きで僅かに声を発する由香さん。
「・・・ねぇ?・・・ゆっ由香さぁん?」
止まった時を動かすべく俺はやっとのことで言葉を発した。
「なぁに・・・?」
少し甘えるような口調で返事をする由香さん。
超かわいぃ~~~!
「・・・いや、あの・・・」
言いたいことはあるが、その場の雰囲気を壊したくないので言葉を選ぶ俺。
「うん?」
俺の耳元で優しく囁くように言う由香さん。
「どうしたの?」
「いや、あの・・・」
「うん?ホントどうしたの?」
あまり引き伸ばしてもなんだと思い俺は言った。
「いや、大丈夫かな・・・と思って・・・」
中だししたことを心配する意味で聞いた。
「大丈夫かなって?(何が?)」
俺の言った意味が分からないのかな?
やっぱはっきり言ったほうがいいのか?
そう思っていると由香さんが気づいたようで続けた。
「あぁ、もしかして赤ちゃんができるもって心配してる?」
そう!
そうっすよ!
やっと言いたいこと分かってくれましたか由香さん!
しかも「赤ちゃんが・・・」って表現も由香さんらしくて可愛くていいっすよ!
「あっ、そっ、そうです」
赤べこみたいに何度も首をこくこくと動かす俺。
「大丈夫よ。心配しなくていいよ」
なにをもって大丈夫って言ってるのか分からなかった。
不安に思っている俺は聞いたよ。
「ホント、大丈夫ですか?」
「うん。心配することないよ」
心配することないよって言われても、もう俺もお年頃。
どうしたら子供ができるかぐらい知ってる。
100%安全な日なんて存在しないことも知ってる。
本当は由香さんが大丈夫という、その根拠を聞きたかった。
しかし、その話を聞くことによって、妙に生々しく現実的な雰囲気に引き戻されるのがいやだったので、それ以上は聞かなかった。
俺のジュニアももうかなり落ち着いてきた。
ずっと由香さんの中に留まっていたかったけど、そういうわけにもいかない。
俺は腰を少し引き、由香さんの中から出た。
「んっ・・・」
小さく声を発する由香さん。
この声が由香さんの色っぽい声を聞く最後になるだなんて、この時は想像もできなかったよ。
由香さんの横に寝るように移動する俺。
その時由香さんの腕があった。
このままじゃ由香さんの腕を敷いてしまうと思ったので
「あっ、腕が・・・」
と言うと
「いいよ。そのまま寝て」
逆腕枕っすか!?
うれしいような、なんか子ども扱いされ恥ずかしいよななんとも言えない感じ。
人の言うことには素直に従うのが俺流。
自分の頭を由香さんの腕の上へ。
そんな華奢な腕で大丈夫かな?って思ったけどね。
「重くないですか?大丈夫?」
心配で一応聞いておいた。
「うん。ぜんぜん平気だよ」
そう答えながら俺を抱きかかえるようにして、髪の毛を軽く触る由香さん。
ってゆーか俺、それダメなんだよね。
髪の毛を触れるか触れないかぐらいで優しく触られるの超ダメなの。
ぞくぞくしちゃうんだよ。
あと襟足のタッチね。
「ごめんね」
由香さんが囁くように、ホント独り言のようにいった。
俺に言ってるのか、独り言なのか判別できず俺は無言だった。
「こんなことになっちゃって」
由香さんが同じく囁くようにつぶやいた。
やっぱり俺に言ってるんだ。
なんでか分からないけど、俺、猛烈に悲しくなったよ。
えっ!?
由香さんなんで謝るのっ?
止めてよ。
別にいけないことしてるわけじゃないじゃん?
なんで?
どうして謝るの?
ちょっと目頭が熱くなった。
普段から涙もろい俺、目に涙たまってた。
声を出すとなんか泣きそうだったのでずっと無言だった。
無言の俺の髪の毛を優しく触る由香さん。
ずっとずっと俺の髪の毛を触る。優しく、ソフトにタッチする由香さん。
俺、あまりに心地よかったのでいつの間にか寝ちゃってたみたい。
目が覚めた。
一瞬自分の置かれている状況が把握できなかった。
「???」
ここってどこだっけ?
俺、なんで全裸で寝てるの?
しかもモコモコな白い絨毯の上で。
徐々に記憶が蘇ってきた。
いや、ちょっと待てよっと。
俺、妄想癖がある?
俺の記憶では昨日エッチなことした気がする。
俺、昨日エッチなことしてた?
うん、したよな。
ホントにした?
いや、ちょっと待てよ、そう脳内で思ってるだけ?
「・・・・・」
数十秒後、結論が出ました。
はい、昨日確かにエッチしました。
じゃ誰と?
1こ上の先輩の由香さんと。
その人は今いずこに?
・・・さぁ?
情けなく下半身にだけ布団をかけ、体を起こし考え込んでいた。
がちゃ!
ドアを開けると音がした。
「!」
「おぉ~い、いつまで寝てんだぁ~?」
げっ!
朝から裕美だよ。
普通こういうシチュエーションだと、由香さんが頬に軽くキスして起こすでしょ、普通は。
現実はそんなに甘くないってことだよね。
「おわっ!」
上半身(下半身もだけど)裸な俺はあわてて、布団をひっぱりあげ体を隠した。
「はいっ~?君は女の子のようだなぁ~なに隠してんのっ!?」
そう言いながら、裕美はづかづかと自分の部屋でもないのに遠慮なく入ってきた。
「はいよぁ~」
そういいながら裕美はYシャツを俺に放り投げた。
ボタンがちゃんとついてる。
「一個ボタンが見つからなかったから、一番下つけてないよん」
いや、一番下のボタンは前からないんすよ。
「いや~それにしても君は激しいなぁ~」
あごに手をあて、したり顔でうなずく裕美。
やべっ!
昨日のこともしかして聞かれてたのっ!?
そう言えば裕美ってどこにいたの?
昨日は裕美の存在なんてまるっきり気にしてなかったから。
「・・・(照れ)」
猛烈に恥ずかしくなったよ。
自分がエッチしてる姿を他人にみられることなんで普通ないじゃん?
しかも、なんか意味ありげにうなずいてるし。
「・・・先輩は、昨日どこに寝てたんですか?」
答えを聞くのが恐ろしかったが勇気を振り絞って聞いた。
「昨日?そのこのベッドで寝てたよ」
っ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヤバイ!ヤバイ!超ヤバイ!
あと8億回繰り返してもいい足りないぐらいヤバイと思った。
「んほっ」
むせた。
「えっ!?そこにいたんすかっ!?それホントっすか!?冗談じゃなくっすか!?」
「あぁ~いたよ。おかげであたしゃ寝不足だよ。ふぁ~あ」
わざとらしくあくびをする裕美。
ずぅ~~~ん。
マリアナ海溝よりも更に深く落ち込む俺。
この時すでに半泣き(9割5分)状態。
その状態を見た裕美がさらっと一言。
「んなっわけないだろ」
「へぁっ?」
すっとんきょーな返事をする俺。
「あたしにはそんな(他人のエッチを観察する)趣味ないし。違う部屋で寝たよ」
「・・・・・」
俺放心状態。
「着替えて下においで」
そういい残し裕美は部屋を出て行った。
扉が閉まる音で我に返った俺は慌てて服を着た。
おいおい、ベルトバックルが外れてないじゃん。
ホックひん曲がってるじゃん。
ホックを強引に指で押しつぶし着替えをして1階へと。
1階についたはいいが、どこに行っていいのか分からない。
そう思っていると、耳障りな裕美の声が聞こえてきた。
その声のする方に行くとそこはダイニングだった。
このダイニングもまたばか広い。
20畳ぐらいはあるんじゃないか?
そのバカ広いダイニングにこれまたバカでかいテーブルが。
俺が部屋に入っていくと由香さんの姿も。
「おはよ。ってゆーかもうこんにちわかな?」
少し笑いながらあいさつをする由香さん。
あぁ~由香さ~ん、もう朝(昼だけど)から俺は幸せいっぱいだよ~。
「ヒロ君、なにか飲む?紅茶でよければすぐ出来るけど?」
由香さんが聞いてきた。
「あっ、なんでもいっす」
軽くうなずきならが返事をする俺。
「じゃ、ちょっと座って待ってて」
あ、はぁ~って思ったがどこに座ればいいの?
テーブルには椅子が6脚ある。
由香さんと裕美は対面になるように座っている。
普通、こういった場合俺は由香さんの隣だよな?
でもそれじゃ図々しく、調子に乗ってるって思われるよな?
じゃ裕美の隣か?
そりゃいくらなんでもおかしいだろ?
じゃ床に座るか?
ってそれじゃ丁稚だよっ!
くだらんことで悩んでいる俺を見て、助け舟を出すように、裕美があごで由香さんの座っている横を指した。
初めて裕美が天使に見えた。
あんた最高!今だけ!
テーブルの由香さん側に移動しいざ座ろうと思ったが、椅子は片側3脚ある。
由香さんは一番奥に座っていた。
俺、真ん中でいいんか?と思ったが一番手前に座った。
それを見た裕美が言った。
「どうして君は離れたとこに座るかなぁ~。隣に座ってあげなよ」
「あっ、はい・・・」
ちょっと照れくさかったが素直に裕美の言葉に従った。
ナイスフォロー裕美!グッジョブ!(って当時そんな言い方なかったけど)。
俺が席に着くと同時に、由香さんが紅茶を持ってきて俺の隣に座った。
ふわっと昨日と同じリンスの匂いがした。
やっぱ昨日のことは夢じゃなかったんだと確信できたひと時だった。
「はい、どうぞ。お砂糖は?」
「いえ、いらないっす」
いつもは2,3杯砂糖を入れる俺はかっこつけて言った。
一口飲んでの感想。
やっぱ砂糖入れればよかった・・・
不気味な静けさが辺りを包む。
誰も何も話さない。
由香さんは頬杖をういて、顔を少し横に向けティーカップをいじっている。
そういった姿の由香さん絵になるなぁ~。
ぼーっと見とれている俺。
かたや裕美はと言うと、椅子の背もたれに片腕を回し、あごに手をやり足を組んでふんぞり返って(ちょと大げさかも)座り、由香さんをじっと見ている。
まるでこの家の主みたい。
違う意味でこれも絵になっている。
どれぐらい時間が経っただろう?
突然裕美が言った。
「ねぇ?由香?・・・いいの?」
うんっ?
いいのって何が?
主語もなにもなく裕美の言ってる意味が一人分からない俺。
「うん」
自分の返事を噛みしめるように、軽く二度三度うなずきならが、ちょっと口に笑みを携え由香さんが答えた。
ちょっと沈黙の後、裕美がつぶやいた。
「・・・そっか・・・」
あのぉ~お二人の会話、俺、まったくみえてないんですけど?
そう思ったのもつかの間、その場の雰囲気をかき消すかのように裕美が元気よく立ち上がりながら言った。
「そっか。分かった」
いや、俺分かってないんですけど・・・
「ヒロ君ごめんね、私たちちょ~っとこれから用事があるんだ。それで悪いんだけど」
みなまで言うな裕美。
そこまで言われれば分かります。
裕美の言葉を途中でぶった切るように俺は
「あっ、はい。分かりました」
と急いで返事をした。
「ごめんね」
自分の顔の前で手を合わせ、謝るような仕草をする裕美。
帰り支度(と言っても制服の上着を着てバックを持つぐらいだけど)をして玄関へと。
その場でさよならかと思ったけど、二人とも外まで見送りに出てきてくれた(正直いって裕美が邪魔だと思った)。
なんて言っていいのか分からなかったが、そこは進行役の裕美の出番。
「一人で帰れるか?まっ気をつけて帰りたまえ」
「あっ、どうもお邪魔しました」
そう言い、少し頭を下げ由香さんの方を見た。
素敵な笑顔で応えてくれましたよ。
俺超ハッピーって感じだった。
「じゃ」
といってその場から立ち去る俺。
帰り道、俺なんで連絡先聞かなかったんだろう?って思った。
でも同じ学校だし会おうと思えばいつでも会えるでしょって簡単に考えてた。
なんか家についてもふわふわした気分で、のぼせてるみたいだった。
昨日の出来事って本当は夢なんじゃないかと思えた。
でも、お風呂に入ったとき、由香さんが肩につけた爪あとがちくりとしたからやっぱ現実なんだって思った。
俺、この体験を友達に超話したかったし、自慢したかった。
でも止めておいたよ。
こんな話をして、友達が好奇の目で由香さんを見ることに耐えられなかったし、せっかくの想い出が汚されると思ったから。
学校へ行ってもしばらく、授業の内容が身に入らなかった。
まっそれは以前からだからあまり変わらないんだけどな。
もう由香さんのことしか考えられなかった。
もう俺の中由香さんで一杯。
日を追うごとに思いが募る。
由香さんを訪ねて2年の教室に行くか?
いや、でもちょっと恥ずかしいし、やっぱ上級生のフロアに行くのは緊張する。
友達と一緒なら行けるか?とも思ったけど、そうするなら事情を話さなくては友達も納得しないだろ。
由香さんとのことを話すわけにはいかないし。
由香さんに会いたい、やっぱ会いに教室まで行くか?
いや、でも・・・
見事な腰抜けっぷりを存分に発揮する俺。
ジレンマに陥り時間だけがいたずらに過ぎていく。
近いうちに会えるだろう。
そう自分に言い聞かせるように無理やり納得させその時を待った。
裕美の姿は1、2度見た。
裕美なんてどうでもいいんだよ。
由香さんだよ由香さん。
しかし由香さんの姿を見かけることはなかった。
ってゆーかおかしくないかっ?
同じ学校だぞ?
いくらなんでも姿さえ見かけないってことあるか?
もう我慢でっきーん!
俺は意を決した!
ようし放課後待ち伏せ作戦だ!(意を決したわりには屁たれな作戦でごめん)。
2年生が利用する階段でうんこ座りをしながら待つ俺。
何度も、
「んだっ、こいつぁ~?おらぁ~!」
って感じの先輩の厳しい視線に晒されること数十分。
本命ではないが、裕美発見。
裕美も俺に気づいたようだ。
はっとするような表情をする裕美。
この時その裕美の表情が気になった。
なんかいやな予感がした。
妙な胸騒ぎがした。
軽く会釈をする俺の脇を逃げるように、足早に去ろうとする裕美。
えっ!?
ちょっと、なんか意外な反応なんすけど。
慌てて俺は声をかけた。
「いや、ちょっと、先輩っ!!」
ちょうど通りかかった2,3人の先輩が振り向いた。
おめぇ~らじゃねぇ~よ。
心の中で突っ込みつつ、裕美の後を追った。
「ちょっと、先輩待ってくださいよ」
「あぁ・・・君か」
今初めて気づいたって感じでちょっと動揺しながら裕美が言った。
「いや、君かじゃなくって、今、視線合ったじゃないっすか」
「あっ、ごめん、気づかなかったよ」
んなわけねぇ~だろ。
ばっちり視線合ってたじゃん!?
そう突っ込みたかったが、そんな押し問答してる場合じゃないと、冷静になる俺。
「で、なにっ?」
ちょっときつめの口調で裕美が聞いてきた。
「?」
今日はやけにきついな。
そう思いながら尋ねた。
「あっいや、由香さん、何組かを聞こうかと思って」
「・・・」
?意外な反応なんすけど。
すぐに教えてくれるかと思ってたから。
じっと俺のことをを厳しい目つきで見つめる裕美。
えっ!?なに?
ホントなに?この反応は?
聞こえなかったのか?もう一度聞くか。
「由香さ・・・」
俺の言葉を遮るように裕美が答えた。
「由香、いないよ」
「はっ!?いないって?今日休みってこと?」
「いや、違う。もうこの学校にはいないってこと」
はっ!?
もうこの学校にはいないってどういうこと?
意味がわからん。
「・・・えっ!?・・・えっ!?はっ!?」
この学校にはいない?
もういない?
もう???
なんか裕美の言った言葉が理解できずに軽い錯乱状態。
微動だにしない俺に向かって裕美が言ってきた。
「由香、家の事情で学校辞めたの」
はぁっ!?
学校辞めた?
えっ?
誰がっ!?
俺、この時言葉も出なかった。
「だから、もうこの学校にはいないの。分かった?」
そう言い、その場を立ち去ろうとする裕美。
おいっ!
お前ちょっと待てよっ!
そんな話で納得できるか!
俺、ぶち切れた!
「ちょっと待てよっ!」
腹の底から絞り出すような大声でどなり、裕美の腕を力いっぱい掴んで強引にこっちに引き寄せた。
少しおびえたような表情をする裕美。
「はぁっ!?ちょっと待てよ!お前、なに言ってんだっ!?」
もう先輩も後輩もない。
切れてる俺に上下関係はない。
その声を聞きつけた、周りの2年生の男共が
「んだっこのヤロー」
って感じで威嚇しながら近寄ってきた。
ヤバイかなって思ったけど、そんなこと気にしてる余裕なんてその時の俺にはなかった。
「君、ちょっと落ち着きな。なんでもないから、大丈夫だから」
後半の台詞はいかついお兄様方へ向かって投げかけた裕美の言葉。
収まりがつかないご様子のお兄様を見て、まずいと思ったのか裕美が俺の手を引き屋上へと移動した。
屋上で裕美が話を始めた。
由香さんは、父親の仕事の都合で海外(イギリス)に留学することが決まっていたこと。
本当は、9月に行かなくてはいけなかったんだけど、どうしても心残り(俺のこと)があるのでひとり日本に残っていたこと。
自分のわがままで親に迷惑をかけるわけにはいかないので、自分で出来る限りのことをしようとバイトをしていたこと。
そう言われていればそうだよな。
あんな豪邸に暮らしていてバイトするのってへんだよな。
その話を聞いて初めて納得した。
なんかその話を聞いて悲しくなってきたというか、健気な由香さんを思って可哀想で泣けてきた。
もう超号泣って感じ。
これが号泣じゃなかったらなにが号泣なんだって感じで泣いた。
いくら泣いても泣き足りない。
この悲しみや由香さんを思う愛おしさをどこにぶつけていいのか分からなかった。
俺は腕をぶんぶん振り回し、泣きながら裕美に言った。
「何であの時言ってくれなかったんだよっ!?先輩、知ってたんでしょ?何でだよっ!?」
もう涙なんてぬぐってる場合じゃない。
涙や鼻水、もう色んな物が出てたと思う。
でもそんなのなんてお構いなしって感じだった。
「もうっ!先輩ずっけぇ~よっ!何でだよっ!何でだよっ!何でなにも言ってくれなかったんだよっ!」
あ~ん、あ~んって子供みたいに泣きじゃくったよ。
もう後半自分でなに言ってるか分からんかったよ。
そんな中突然裕美が大声で言ってきた。
「じゃどうればよかったのっ!?えっ!?じゃあの時、由香はもう近々学校辞めて海外に行くんだよって言えばよかったわけっ!?それ聞いてうするのっ!?どうすることも出来なかったでしょ!?」
後半裕美も涙声っすよ。
その裕美の言葉聞いて、更に泣きっすよ。
確かにどうすることも出来なかったよ。
でもね、でも、いくらなんでもそれってひどすぎっすよ由香さん。
残酷だよ。
「由香はもう君の事諦めるつもりだったんだよ。でも偶然あの時会っちゃったから。私はお互い悲しい思いするから止めておきなっていったんだよ。そのことについては由香もずいぶん考えてみたい。でも、由香、君が自分のこと好きなってくれるなんて思ってもいなかったみたいね。だから青春のいい想い出ってことで、たまに思い出すぐらいじゃないかねって言ってたよ」
そんなわけないじゃん!
なに勝手に人の気持ちを決め付けてるんだよ!
俺その台詞聞いた途端、制服がよごれるなんて気にもせずにその場に突っ伏してて泣いたよ。
更に大声で泣いたよ。
喉から血が出るんじゃないかってぐらい声を張り上げ泣いた。
どれぐらい時間が経ったんだろ?もう涙も出尽くしたって感じがした。
俺はゆっくりと立ち上がった。
もう辺りは真っ暗だよ。
とっくに裕美はいないと思ってたけど、じっと待っててくれた。
ちょっと悲しそうな、物悲しそうな視線で俺を見ている。
俺は顔に涙をぬぐうようにして、その場を立ち去ろうとした。
その時、裕美がハンカチを差し出した。
そのハンカチに見向きもせずに俺はゆっくりと歩き出した。
「由香は・・・由香もあの日の朝泣いてた・・・」
由香の言葉が背中越しに聞こえた。
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その言葉でまた涙が流れた。
首を振りながら俺はその場を立ち去った。
もうそんな話は聞きたくなかった。
いくら聞いたところでもう由香さんには会えない。
なんの意味もない言葉だ。
しばらくもぬけの殻のように俺は過ごした。
朝起きて、支度をして、電車に乗り、学校に行き、友達とバカやってすごした。
友達を一緒にいる時は、由香さんのこと考えずに過ごせた。
でも夜一人になるとやっぱり思い出す。
裕美が最後に言った台詞が。
「由香もあの日の朝泣いてたよ」
聞くんじゃなかったよそんな話。
その台詞のせいで立ち直るまでかなりかかったよ。
まったく裕美も余計なこと言うよな。
そんな屁たれで、泣き虫で根性なしな俺も来月結婚します。
一つ年上の、色白で華奢でハスキーな声の持ち主のイギリス帰りの素敵な女性と。
由香さん改め、塔子さんと結婚します。
長々とお付き合いありがとうございました。
じゃ(by 裕美改め久恵さん)。
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