現在。
「先生、さようなら」
「さようなら」
各々の生徒が、塾講師の翔太に挨拶をして、帰っていく。
「先生、さようならー。また明日」
「おう、頑張ってな」
三つ編みの少女は笑って会釈した後、翔太に手を振って、帰って行った。
三つ編み…翔太は、三つ編みの少女を見るたびに、かつての初恋の相手美奈子と、あの事を思い出す。
「はあ…」深いため息をついた翔太。
もう遠い過去の出来事だが、鮮明に覚えている、(あの事)
初恋の少女美奈子…果たして、今はどうしているのか?
「どうして…」もう考えても仕方ない事なのだが、翔太の心に、色んな「どうして」という思いが去来する。
翔太が帰り支度をはじめた頃、突然の豪雨が降りだした。
1980年代の6月のあの日…あの日も大雨の日だった…
1980年代
翔太12歳、小学6年生。
翔太はいつものように、帰りが同じ方向の同級生達と、ワイワイ賑やかに帰宅していた。
その同級生の中に、翔太が4年生の頃から想いを寄せる、初恋の少女、美奈子がいた。
美奈子は、腰まである長い緑の黒髪をいつも綺麗に三つ編みにした少女だった。
乳房も膨らんできたことがわかる程度の大きさだった。
可愛い、美人といった同級生や同学年の少女なら美奈子以外にも、いた。
だが、翔太の初恋の少女美奈子は、明るく、聡明で、字も綺麗な字を書く、それでいて、控え目な少女だった。
そんな訳だから、美奈子は学級委員の委員長を任された。
本人も、嫌な顔ひとつせず、快く引き受けた。
翔太少年が、美奈子に想いを寄せている事は、周りの友達には周知の事実で、美奈子自身も、翔太に想われている事は、わかっていただろう。
「じゃあね、またねー」
「明日なー、バイバイ」
友達がひとり、またひとりと、別れて行く。
「じゃあ、私はここでねー」
美奈子が、翔太達に、別れを告げる。
「あれ?美奈ちゃん?家そっちちがくない?」
美奈子と仲良しの久美という少女が尋ねると
「うん、ちょっとね、バイバイ、また明日」
美奈子はそうとだけ言うと、家とは違う方向へ歩いて行った。
「あいつ、習い事とかしてるし、それじゃない?」
と、友達のひとりは言ったが…
美奈子が歩いて行った方向にあるのは、地元の夏祭りがある神社だけのはず…
翔太はこの時は、おかしくは思わなかった。
「おい!ショウ、これ、一緒に見ようぜ!」
翔太の友人のトモキが、どこからかエロ漫画を拾ってきた。
「マジか?じゃあ、神社行こうぜ」
友人のトモキは、翔太達ワルガキ衆の中でも、一番ませていて、エロが大好きな奴だった。
「うひょー。マジエロくね?」
「でも、これって、漫画だろ?」
「バーカ、ショウは何にも知らねえのか?実際のエッチでもこうするんだって、大人は」
「ホントか?女が、チンコくわえたりするのか?すげえなー」
「今度は、エロ本探して来るな?」
「へえー…フェラチオって言うのか…」
翔太は、食い入るように、エロ漫画を読んだ。
「ショウ、お前さ、クラスの誰とヤりたい?やっぱ、美奈子?」
唐突に、凄い事を聞いてくるトモキ。
「そういうお前は誰なんだよ」
「俺は、チエだな」
「ああ、トモキはボインちゃん好きだもんな」
「あいつ、マジ、乳デカイよなぁ…ああ、揉みてえ…」
そう言って、トモキは股間を擦る。
「なあ、一緒にシコろうぜ?」
「え?」
あれ?お前、シコった事ないの?」
「なんだ?それ」
「マジか?俺なんか、シコりまくりだぜ?」
「だから、何だよ?シコるって」
「マスターベーションって言うんだけどさ…」
そう言ってトモキはズボンとパンツを一気に脱ぎ、下半身を露出させた。
「バカ、何してんだよ、お前!!」
トモキは既にうっすら陰毛が生え、皮も剥けて、男のぺニスになっていた。
「マスターベーション今からするから、ショウもやってみ?すげえ気持ちいいんだって!」
そう言って、トモキは自分のぺニスを扱き出した。
みるみる勃起していく。
「ほら、お前もやってみろよ。美奈子の裸とか想像して、チンコこうやってさするんだよ。俺は、チエのボインとか、あいつとセックスしてるのを想像して…ああ…」
翔太も、自分のぺニスが大きくなっているのに気付き、慌てて下半身を露出させた。
まだ陰毛も生えていないし、皮も剥けていない。
「ほら、真似して擦ってみろよ。あ、お前まだ包茎なんだ?」
ホウケイ…また聞いたことのない単語が。
「包茎だと、女子に嫌われるらしいぜ?早いとこ、皮剥いちゃえよ」
翔太が戸惑っていると、
「しょうがねえなあ…」
トモキはマスターベーションを中断すると、徐に、翔太のぺニスを握って、皮を剥いた。
「いてて!何すんだよ!」
「こうやって、皮剥いて、上下に動かすんだって!それ、それ」
「あ、やめろ…ああ…やめろって!」
「ほら、チンコでかくなってきたろ?美奈子の裸を想像して、やってみろよ」
トモキは再び、マスターベーションをはじめた。
翔太も、漸く、トモキの言う通りにしてみた。
「(美奈子の…裸?想像したこともないな…どんななんだろ?)」
むくむくと、翔太のぺニスが勃起していく。
自然と目を瞑り、ぺニスをしごく翔太。
隣では、トモキが荒い息を吐きながら、一心不乱にマスターベーションに耽っている。
「ああ!やべえ、出る!……うっ…うはあ…」
トモキのぺニスから勢いよく、精液が飛び散る。
「おわ!!すげえ!何それ!」
「はあ…ふう…」
びゅうびゅうと勢いよく射精したトモキ。
「うー、気持ちいい…ほら、ショウ、オレみたいにやってみろよ。初めて射精するのって、すげえ気持ちいいから」
翔太も再び、マスターベーションをはじめた。
ぺニスを握り、上下にしごく。
トモキは、エロ漫画のページを破って、飛び散った精液を処理して、にやにや、翔太のマスターベーションを眺めている。
「はあ…はあ…なあ、トモキ…何か、ムズムズしてきたぞ?なあ!ああ…ああ…」
「へっへっへー。もっと強く握って、早く動かしてみろよ」
「うん…」
「初めてはすげえ、出るからな。ほら、腰のへん、痺れてきたろ?」
「ああ…あ、あ、ウワー」
翔太は精通し、夥しい量の精液を射精した。
「あはあ…すげえ…すげえ…」
射精しながら、翔太はぺニスを扱き続けた。
「な?気持ちいいだろ?マスターベーション。一応、俺たち、これで、赤ちゃん作れるって訳だ」
このあと2人は若さに任せて、シコりまくった。
翔太少年が、毎年の夏休み、楽しみにしていることがあった。
夏祭りがある神社の裏手の山一帯で、カブトムシ、クワガタを捕る事だった。
地元ではこの神社の裏山を(カブト山)と呼んでいた。
翔太達、ワルガキ4人組はすっかり、秘密基地と化してしまった神社で爆竹を鳴らして遊んでいた。
「今年もカブト捕るだろ?」
「当たり前じゃん、去年、でっけえミヤマ(ミヤマクワガタ)捕れたし」
「俺は、カブトのマッカチン(赤黒いカブトムシで、結構人気があった)捕りてえ」
パン!パン!静かな神社に爆竹の音が鳴る。
そこへ、軽トラックが走って来る。
翔太達の近くで停まって、運転手が声をかけてきた。
「おう、ワルガキ共、神社で爆竹何かしてると、罰当たるぞ」
そういう運転手だったが、顔は笑っている。
「あ、オジサン。こんちはー」
「こんちはー」
翔太達はオジサンに挨拶をした。
「今年もカブト大丈夫ですか?」
代表する形で、翔太が尋ねた。
「おう、大丈夫だ、任せときな。今年も沢山、捕ろうな!」
「イエーイ!!」
翔太達は飛び上がって喜んだ。
「じゃあな!爆竹は止めとけ、いいな」
そう言って、軽トラックはカブト山の方へ走り去って行った。
翔太達は今のオジサンを、カブトムシおじさんと呼んで、頼りにしていた。
カブト山は、私有地で、当然、関係者以外、立ち入ることを許されていない。
しかし、カブトムシおじさん、以下Kと呼称するが、Kは、地元でも有名な造園会社の社長で、地域一帯の、植木の剪定や樹木の管理を任されていて、カブト山もKの会社が、所有者から管理を任されていて、カブトムシの捕れる、夏の時期だけ特別に、 K立ち会いの元、翔太達が立ち入りを許されている。
Kは50過ぎのがっしりした体格の角刈り頭で、現場にも出ているのだろう、真っ黒に日焼けしている。
翔太達は、Kの言い付け通り、爆竹をやめて、自転車で遊ぶことに切り替えた。
美奈子が神社の方へ歩いていくのは、まず間違いなく、木曜日だ。
翔太も、いつも美奈子と帰る訳ではないが、木曜日に限って、神社の方へ歩いていく。
それを気にしているのは、翔太だけ。
「(神社にお参りでもしてるのかな?)」
それとも、神社じゃなく、他のどこかなのだろうか?
何で木曜日なのだろうか?
「はあ…」
翔太は美奈子を思いながら、覚えたばかりのマスターベーションに耽る。
「(何とか2人きりで帰れないかなあ…手とか繋ぎたいなあ…)」
そんなに大した事じゃない事でも、今の翔太には十分興奮する妄想だった。
「(よし、今度の日曜、神社辺りを探検しようっと)」
そんなことを考えながら、一心不乱にぺニスをしごく翔太。
そして、ベッドの下に隠している、エロ漫画の興奮するシーンを開いて、射精する。
5月終盤の日曜日。
翔太は木曜日に限って、神社の方へ歩いていく美奈子が気になり、神社周辺を自転車で見て回ることにした。
翔太の自宅から、学校へ一気に自転車を漕ぐ。
当時は、今と違って、日曜日でも、自由に学校に出入りできた時代だ。
校庭では、少年野球チームが試合中だった。
今日は、知り合いや友達はいなかった。
「よーし」
翔太は、美奈子と別れる地点まで戻って来た。
「こっからだと…やっぱ神社だよなあ…」
神社に向かって、自転車を漕ぐ。
神社の正面に来た。
ここから、神社の脇をかぶと山へ続く道があるのだが、普段は立ち入り禁止。
神社の左側の道は、かぶと山の所有者、この辺りでは一番の地主の土地へ続く。
立ち入り禁止ではないが、用事がない限り、行くことはないし、翔太もこの先は知らない。
残った道は、神社の正面から右へ、竹林を抜けて、かぶと山を回り込むように、かぶと山へ向かう道。
途中、保育園やその周辺の住宅や、中学校へ抜ける分かれ道がある。
「ああ、保育園とかこの辺に知り合いがいるのかな?」
翔太はそう考えながら、かぶと山を回り込む、緩やかな上り坂を自転車を漕いでいく。
上って行くと、この先行き止まりの立て看板があり、Kの造園会社が建てた、かぶと山を管理する際の物置のようなプレハブが建っていた。
2階建ての結構大きなプレハブである。
ロープが張ってあり、関係者以外立ち入り禁止となっている。
ちょっと進むと確かに、行き止まりで、山に入れるが、当然、立ち入り禁止だった。
美奈子がここに来るとは到底考えられない。
結局、何故美奈子が木曜日に神社方面へ行くのかはわからずじまいだった。
6月、梅雨入りして、蒸し暑い日が続く。
トモキにマスターベーションを教えられ、性に目覚めた翔太少年。
女子は薄着になり、6年生ともなれば、胸のある女子はブラジャーをつけ、それが、シャツ越しに透ける。
翔太達、男子はそれだけで、興奮した。
翔太は勿論、美奈子が、今まで以上に気になっていた。
「なあ、ショウ?」
「ん?」
「美奈子って、結構色っぽくね?」
「そうか?」
「まあ、おっぱいそんなにないけど、何か、腰とかケツとか、いい感じだよなあ…」
トモキはそう言うが、翔太にはよくわからない。
それよりも、明日は木曜日…先週もその前も、美奈子は自宅とは違う神社の方へ向かっていった。
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明日も、そうなのだろうか?
何故決まって木曜日に神社方面に帰って?行くのか…
「なあ、トモキ。明日って、放課後、委員会の集まりだっけ?」
「あー、そうだー。めんどくせえなあ」
委員会の集まりの日は、終わりの時間がまちまちになるため、トモキや美奈子達と帰る事が出来ない。
「(学級委員は一番遅い終わりだよな?いつも)」
翌日木曜日は朝から雨。
予報では、午後から更に雨は強くなる空模様らしい。
「あー出たくねえ…じゃあな!ショウ」
「じゃあなー」
放課後、自分の委員会の集まりが終わり、翔太はそっと、各クラスの学級委員が集まって話し合いをしている教室を覗いて見た。
「(やっぱ、終わってないな?)」
翔太は、木曜日に限って、神社方面に帰って行く美奈子が気になり、先回りで、神社で待ってみることにした。
雨でも、行動は変わらないのか?
それはわからなかったが、来なければ来ないでそれは仕方ない。
そう考えて、翔太は、強くなる雨の中、神社へ向かった。
–END–
『翔太(50歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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