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この頃の毎日の生活は、単調だった。
月曜から金曜まで、大学に行き授業の無いときは研究室に入り浸る。
とにかく一瞬一瞬が大切だった。
短答式の結果は出ていなかったが、論文の勉強を始めねばならなかった。
民事訴訟法、財政学、破産法など、学ぶべき事柄は山程あった。
土曜日曜はMにバイトに入った。
俺はオープニングのトレーナーだったので、朝六時半には店に入り、オープニングに合わせるために秒単位の仕事にとりかかる。
手順がきちんと行くと、一秒の無駄もなく幾つかの作業を同時並行して進めることができ、それでなければオープンには間に合わない。
八時間目一杯仕事をした後、道場に向かう。
道場で三時間の稽古を行い、その頃には肉体的にくたくたになっている。
俺の心中では、Mちゃんがメインで、Sさんはただの都合の良い女性に過ぎなかった。
Sさんとはバイトで出会うが、話を交わすのはクルーのいる中だったので、ありきたりの事柄だけだった。
平日は俺が忙しくしていることをSさんも分かっていたので、無茶は言ってこなかった。
ただ、電話は結構かかってきていた。
俺がつめたくなったと思っているようで、そんな不安感を訴えてきたこともあった。
俺は、そんな事はないと丁寧に伝えたが、心中どきりとさせられた。
短答式の結果が出た。
俺は駄目だった。
研究室では何人も合格していた。
とりわけ、俺の友人が合格していたことが俺にはショックだった。
彼は、余り頭が良いとは俺には思えなかった。
が、熱心に勉強していた。
視線が真っ直ぐで、俺にはまぶしく思えることのある友人だった。
彼はその年は論文で落ちたが、一年浪人して合格し、今は裁判官をしている。
Sさんが残念会をしようと、食事に招待してくれた。
彼女の自宅である。
俺は気が進まなかったが、無理やりといった感じで呼ばれていった。
ご主人はいなかったが、子供達がいた。
37歳の、独身と言っても不思議の無い彼女に、17歳の堂々たる兄妹がいるとは、信じられなかった。
特に妹は、Sさん似の丸顔で、整った顔立ちだった。
洒落っ気はないが、もてるだろうと思った。
実際そうらしい。
話の中で、受験の話になった。
二人とも優秀で、兄などは俺の高校時代よりずっとできるだろう。
話は随分盛り上がり、細かい受験のノウハウにまで話が行った。
話のついでのように
「Hさんに家庭教師をしていただいたらどお?」
Sさんが二人に聞く。
二人はまんざらでもなさそうだったが、俺は断った。
受験生にそんな余裕はない。
Sさんは
「そう、残念ね」
と、俺を軽くにらみつけた。
お宅をおいとました後、夜風に当たりながら軽くワインの酔いが回った頭で考えた。
その時ピンと来たのが、Sさんの意図だった。
我ながら鈍いと思う。
家庭教師になれば、いつでも家に行けるし、その気になれば・・・・ということだろう。
俺にとっても都合の良い話ではあったろうが、俺は再びぞっとした。
Mちゃんのためにも、早くSさんと手を切らねばならないと、その時思った。
俺は、バイトを辞めることにした。
マネージャーにその旨伝え、クルー仲間にも挨拶した。
辞めるとなったらあっさりしたものだ。
休憩室を後にして、もうここに来ることはあるまいと思った。
その夜、Sさんから電話があった。
怒ったような声だった。実際、彼女は怒っていたのだ。
「Mを辞めたのね」
「うん、そう」
「何故、ひとことも相談してくれなかったの?」
「ごめんね、反対されると思ったし、勉強が忙しいんだ」
「もう、余り会えなくなるじゃないの!」
「電話で話せるじゃないか。いつでも会えるさ」
「電話だけじゃ、寂しいわ」
「僕も我慢しているのだから、Sさんも我慢してくれないかな」
等々会話が続く。
文字にすると大した事無いが、語気は荒く、ほとんど喧嘩腰だった。
「今度アパートに行くわ、電話だけじゃ、話にならないから」
「ちょっと待って、僕が忙しいのは、分かっているだろう?アパートには夜にならないと帰らないよ」
「別に、かまいやしないわ」
困るのは俺なんだけども、と思いつつも・・・・。
「ご主人や、子供達にはどうするの?」
「あなたには関係ないでしょ」
ガチャン。
俺は、研究室が閉まるギリギリまで粘っていた。
自宅やアパートでは、上手く勉強できないのだ。
アパートに帰るのは、夜九時過ぎが普通だった。
真っ暗な道をとぼとぼと歩いてアパートに向かう。
寂しげな感じがするが、俺はこういうの嫌いではなかった。
ただ、今回は流石に気が重かった。
アパートの前にSさんがいるのではないか、などと考えてしまう。
数日後、俺はアパートで民事訴訟法の勉強をしていた。
忘れもしない、三ヶ月章著の基本書を読んでいたところだった。
三ヶ月先生のこの本は、僕が一番好きな基本書だった。
行間に熱気がこもっている。
夜の十時過ぎだった。
ドアがノックされた。
俺は弟だと思ってドアを開けた。
弟は獣医学部に今年から入学し、時々アパートを訪ねてきていたからだ。
立っていたのはSさんだった。
「やあ」
と俺は彼女を招き入れた。
俺の顔は少々こわばっていたかもしれない。
彼女はツンとした雰囲気で部屋に入ってきた。
それから机の上の本や資料を見つめ、
「お勉強?」
「見れば分かるだろう、そうだよ」
「お邪魔かしら・・・」
邪魔だよと言いたいがぐっと堪えて、俺は、
「紅茶でも淹れようか」
いつもは手伝ってくれるのだが、俺の姿を冷ややかに見ている。
紅茶を淹れ、有り合わせのクッキーなどを皿に入れ、テーブルに置いた。
本や資料を崩さないように移動させ、彼女と向かい合っておれは座った。
「ご主人や子供達は?」
「知らないわ、あなたには関係ないでしょ」
最初から戦闘モードであるのに、俺は理不尽さを感じていた。
何故Mを辞めただけでこれだけ不機嫌になられなければならないのか。
別れ話は未だおくびにも出していないのに・・・。
この状態で、別れ話を切り出すことはできない。
何が起こるか分からない。
まず、俺はSさんを落ち着かせるために、じっくり話を聞くことにした。
俺が感情的になってはいけない。
彼女は、ぷんぷんしながらも、紅茶に口をつけた。
俺のとっておきのアップルティーだった。
とても香りが良い。
既に夜十時を回っている。
主婦がこんな時間に、男のアパートにいるなんてどうしても不自然だ。
俺はご主人とは面識が無いが、子供達とは一飯の義理というか、親しみがある。
一体どうするつもりなのだろうか。
「私が嫌いになったのね」
としばらくして切り出す。
いきなり結論モードだ。
「一体どうしたのさ。ご主人や子供達は、どうしたの?」
「あなたには関係ないと言っているでしょう!それより質問に答えてよ」
「・・・嫌いになったわけじゃないさ。ただ、忙しいし、俺は疲れているんだよ」
我ながら優柔不断だと思う。
しばらく押し問答が続く。
彼女の思い込みは強く、それは恐らく女性の直感力だ。
そしてそれは事実でもあるのだが、俺はこの場を上手く丸め込みたいと思ってしまった。
結論は出ているのだが、修羅場の先送りをしたわけだ。
今になって分かることがある。
Sさんは、三人姉妹の末っ子で、両親から溺愛されて育ったらしい。
実家はそれなりの家庭であった。
意のままにならないことがあると、ヘソを曲げる傾向がある末っ子だ。
要領は良いが、波風に弱い。
俺は五人の子持ちなので、子育ての過程で気付いたことだ。
実例はイヤというほどある。
また、仕事や勉強時のの聡明さや忍耐力は、必ずしも人生でのそれには結びつかない。
要は、ちやほやされて育ち、仕事でもそれなりに評価されているわがまま娘が、意のままにならない相手に腹を立てたというだけのことだ。
ただそれは今になって分かることで、その時は彼女の反応の不思議さとどぎまぎで、俺も普通ではいられなかった。
「黙ってMを辞めたのは悪かったよ。そう怒らないで」
本当は、何故怒るのかと聞きたかったのだが、火に油を注ぎそうなので止めておいた。
やがて話はとんでもない方向へ飛んでゆく。
「あなたはいつも、私のことを愛しているって言ってくれたじゃない」
それはそうだ、セックスの時、彼女は言葉の愛撫を好んだし、
「愛している」
と言ってくれと、何度も俺にせがんだのは彼女の方だ。
「言ったよ」
「それは嘘だったの?」
「・・・いや、本当にそう思っていた」
「だったら何故、もっと一緒にいてくれないの?」
おいおい・・・・。
彼女の眼差しは真剣そのものだった。
「ねえ、俺は学生だよ。しかも受験生だ。海のものとも山のものとも分からない、若造だよ。Sさんを好きでも、幸せにしたりすることもできないし、申し訳ないよ」
「そんな事、気にしなくても良いの。私が面倒を見てあげるから」
俺の背筋に悪寒が走った。
「私、あなたの愛に応えなくっちゃいけないかなと、この頃思うようになっていたの」
俺は絶句した。
「ご主人は、子供達はどうするの。○○君、○○ちゃんが悲しむよ。ねえ、一体どうしたんだい。家庭を壊したくないといっていたのはSさんの方じゃないか」
彼女は返事をしなかった。
都合よく肉体だけを楽しめる女性だと俺が勝手に思っていたSさんだったが、そうではなかったことがはっきりした。
抱くというのは肉体のことだけにとどまらず、精神も一緒に抱くということなのだと骨身に染みて分かった。
因に、この時の経験がもとで、俺は結婚してから十八年間、浮気は一度もしていない。
相手にするとしたら、プロと心に決めている。
俺は冷たい汗をかいていた。
運動の心地よい汗しか知らなかった俺は、冷や汗というものが本当にあることを知った。
混乱していた俺だが、ここでの対応を間違えると、俺は人生を過つということだけは分かった。
Mちゃんをどうしようか。
Sさんは真剣だ。
「そこまで思っていてくれて、ありがとう」
俺の精一杯の演技だ。
俺の目の前に、Sさんの肉体がある。
豊かに盛り上がった胸。
細い腰。
先日まで、俺が自由にできていた身体だ。
小振りだが整った顔つき。
目が俺を見つめている。
紅茶が冷めてしまっている。
俺は席を外し、ヤカンに水を入れ、間を取った。
落ち着け、落ち着けと俺は自分に言い聞かせた。
お湯が沸くまで時間がかかる。
今まで俺と彼女は対座して座っていたが、俺は彼女の隣に座った。
対座だと、対立関係になりがちだ。
隣に座って、お互いの体温が感じられるくらいの距離に身体を置く。
「哀しい思いをさせてしまったみたいだね。ごめんね」
「知らない!!!」
しばらくお互いに無言。
お湯が沸き始めた。
「私が淹れるわ」
勝手知ったる調子で、紅茶のお替わりを彼女が淹れてくれる。
ポットにカップ四杯分くらいの紅茶ができ上がった。
もう夜十一時を過ぎていた。
が、彼女は帰ると言い出さない。
お互いに無言のひとときが続いた。
俺は、今までの経過を反芻したのだが、段々むかむかしてきた。
セックスの時の、女に誘導された男の言葉を真に受けて、愛されていると思い込んでいたなんて、何て馬鹿なんだろうか。
それとも、理屈にならない感情に流されてここまで来ているのか。
何れにせよ、ほとんど子供だ。
子供じみていると自分で分かってやっているのなら、コンチクショウである。
急に荒々しい激情が俺を襲った。
俺は彼女の腕を荒っぽく掴んだ。
彼女ははっとした目で俺を見つめる。
次の瞬間、ギラリと挑発的な視線に変わった。
俺は彼女の視線から敵意に近いものを感じ、敵意に対して敵意で答える衝動が俺のうちに沸き上がった。
俺は間髪をおかず、彼女を畳の上に押し倒した。
お互いに声は出さない。
ただ、押し倒されてバタバタと彼女は暴れていた。
動きは大きくはないが、力は今までに経験したことが無い程で、彼女は全力を出していたと思う。
俺の目は血走っていただろうか、と今では思う。
彼女は俺の両手を何とか止めようと、手を使って防いでいた。
が、所詮女の力である。
難しいのは、服を破かないようにすることだった。
彼女の両手を動かなくするために、彼女にバンザイ型を取らせて、両手首を片手で押さえた。
柔術の呼吸である。
そのまま空いている片手で服のボタンを外して行った。
暴れる彼女のボタンを外すのは、結構難しかった。
胸のボタンが外れた。
「イヤ、止めて、ヤダ」
と荒い呼吸に合わせてかすかな声が聞こえる。
彼女に掴まれている痛みはほとんど無いはずだ。
痣もできないだろう。
その意味で、俺は細心の注意を払っていた。
ボタンの外れたシャツの間から、豊かな胸がのぞいている。
今まで何度も愛撫した胸だったが、
このような状況で見ると、改めて興奮を誘う胸だった。
シャツの間に手を入れて、ブラの上から胸を揉んだ。
彼女は益々
「ウグ、ウグ」
とノドにこもった声を出しながら、暴れた。
次に俺は彼女にのし掛かり、自分の胴体で跳ね回る彼女の身体を押さえつけた。
上手くいった。
次に俺は片足を彼女の股の間に差し込んで、足を広げさせた。
さらさらした生地のスカートだった。
俺はさっとスカートをまくり上げ、ストッキングに手をかけた。
手がかかった瞬間に、俺はストッキングを引き下ろした。
これも柔術の技をかけるときの呼吸だ。
敵がはっとして防御体制をとる一瞬前に、技をかけてしまう。
ストッキングを全部一度に引き下ろすことはできない。
尻の部分をむき出しにしただけだった。
が、ここが外れては彼女は元に戻せない。
彼女の両手は俺が利かなくさせていたからだ。
ここから俺はバタバタする足から、じわじわとストッキングを脱がせていった。
俺も片手なので、膝近くまでしか脱がせられない。
俺はそこで体を一瞬入れ替えて彼女に馬乗りになり、両手でパンティーごとストッキングをはぎ取った。
彼女は一瞬両手が自由になったが、なす術もなかった。
バタバタと俺の背中を叩いただけだった。
痛くも何ともない。
俺は一瞬だったがはっきり見た。
彼女のあそこがヌルヌルに濡れているのを。
俺が体を外すと、彼女はスカートを下ろしてあそこを隠そうとした。
俺はズボンとパンツを脱ぎ捨て、起き上がろうとする彼女を後ろから羽交い締めにし、胸を揉んだ。
俺の両足は、彼女の腰と足に絡みつき、身動きをとれなくさせていた。
彼女が身体をエビのように前後に動かすたび、俺の手と足は彼女にしっかりと絡みつく。
「ひいっ、むぐ・・・」
と彼女は荒い呼吸とともにうめき声ともつかない声を上げた。
「イヤ、イヤ、止めて」
と辛うじて言いながら、抵抗するが段々抵抗は弱まっていった。
スカートをたくしあげ、素肌の彼女の下半身に足を絡み付けた。
体を入れ替え、俺の太ももが彼女の股間を押さえつける。
俺の太ももが彼女の愛液でぐっしょり濡れる。
そのまま彼女を俺の身体で押さえつけながら、俺は身体を沈めていった。
亀頭にヌルッとした感触を感じたと思ったら、あっという間に俺の息子は彼女の体内に沈み込んだ。
俺は動かずに、彼女の身体を押さえつけていた。
バタバタ暴れる動きは、止まった。
彼女は横を向いたまま、激しく呼吸していた。
俺は生意気な彼女を制圧したように思った。
彼女の表情を見つめる。
最初はきつい目だったが、段々とろんとした目に変わっていった。
俺はおもむろに動き始めた。
彼女は
「あ、あ・・・」
と言いながら乱れ始めた。
いつもの彼女だった。
二人とも上半身は服を着ており、下半身だけで交わっている。
その状況が、何故か刺激的だった。
彼女は
「好き、好き」
とうわごとのように言い始める。
「ね、出して、お願い」
俺は、なるようになれと思ってしまった。
Sさんはゴムが嫌いで、俺はいつも生の外出しだった。
が、今度は彼女をむちゃくちゃにしてやりたいという衝動を、俺は抑えられなかった。
「犯してやる、懲らしめてやる」
と、激しく彼女の中で動き、俺はめくるめく快感の中、彼女の体内に発射した。
初めての中出しだった。
ぐったりした彼女から俺は離れ、一人でシャワーを浴びようとした。
ペニスの先から、糸が引かれ、彼女自身につながっていた。
畳の上は、じゃりじゃりした感じだ。
彼女をそのままにしておくのも可哀想なので、俺は布団を敷いてそこに彼女を移した。
俺はシャワーを浴びながら、
「やっちゃった、まずい」
と深い後悔にさいなまれた。
Mちゃんのことなど、すっかり忘れていた。
射精の瞬間、欲望から開放された理性が、元に戻ることがある。
俺は、一体何ということをしてしまったのか。
俺はペニスをきれいに洗った。
ヌルヌルした感じがなかなか取れないように思われた。
シャワーから出て、身体を拭きながら、未だにぐったりしているSさんに
「シャワーを浴びておいで」
と勧めた。
彼女はのろのろと起き上がり、シャワーを浴びに行った。
服をぞんざいに脱ぎ捨て、ふらふらしながら。
俺は、こうなった手前彼女に帰るようにも言えず、布団をかぶって寝ようとした。
布団に入るやいなや、俺は激しい疲労を感じ、すぐに夢うつつになった。
夢うつつのまま、彼女が裸のまま俺の隣に入ってきて、俺の腕をしっかりと抱きしめて眠りに入るのを当たり前のことのように錯覚しながら、俺も眠りについた。
あれは夢だったのだろうかと思うことがある。ほとんど夢の中だった。
俺が眠っている間、Sさんが柔らかい身体を押し付けてきて、何度も俺に口づけをしたこと。
俺の乳首をなめたり、俺の胸に頭を載せて、心臓の鼓動に聞き入っていたこと。
明け方、息子に感じる快感で俺はうっすらと夢の世界から抜け出した。
彼女が、柔らかく俺の息子をなで回している。
朝立ちもあり、息子は痛いほど反りかえっていた。
彼女は俺にほおずりをして、やがて俺の身体の上に自分の身体を乗せた。
柔らかく、暖かく湿った感じを息子に感じたと思うと、彼女は俺の上で腰を振り始めた。
彼女は口づけをしながら交わるのを好んだ。
今回もキスを俺にし続けながら、段々息が荒くなっていった。
俺は快感に身を委ねた。
なるようになれという捨て鉢な気持ちが、心を占めていた。
「起きた?」
俺は頷いた。
「私のこと、好き?」
俺は頷く。
「愛している?」
「ああ・・・」
「気持ちいい、気持ちいいの・・・」
彼女は言いつつ、俺にしがみつきながら腰を前後に振り続ける。
昨夜出ていたはずなのに、又しても引き金に指がかかった。
俺は彼女の腰を誘導し、益々早く動かすようにした。
「う、うん・・」
俺はうめきながら、彼女の体内に発射した。
二度目である。
二度目が終わっても、俺の息子は元気だった。
今度は彼女を下に組み伏せ、抜かないで俺は動き始めた。
三度目だから時間がかかった。
俺は激しく動き、彼女の蜜壺を所かまわず突きまくり、こねくり回した。
彼女はヒーヒー声を上げていた。
三度目も彼女の体内に発射した。
彼女のうちから流れ出すドロリとした俺の体液を、俺は不思議な気持ちで眺めた。
「イヤね、何を見ているの?」
彼女は俺に背中を向け、ティッシュで股の間をぬぐった。
シャワーを浴びてきた彼女は、再び裸のまま俺の横に横たわった。
俺は彼女の胸を、乳首をいじる。
舐める。
彼女は俺にされるがままになっていた。
又しても俺の息子がむくむくと起き上がってきた。
彼女は、
「すごいのね」
と言いつつ、俺自身を自分の中に誘導する。
彼女は充分に潤っていた。
おれはもう一度、彼女の中に体液を放出した。
四回目の後の俺は、エネルギーが抜けきった後の気だるい気持ち悪さを感じていた。
未だ明け方の五時であった。
コトコトという音で俺は目を覚ました。
俺は全裸だった。
いつの間にか、再び眠り込んでしまったようだった。
彼女がまな板で、トマトとキュウリを切っている音だった。
お湯がちんちん沸いている。
朝日がカーテンのすき間から差し込んできていた。
良い天気らしい。
彼女はいそいそと朝食を作っている。
「起きた?何もないのね。あるものだけで作ったわ」
トースト、チーズ、コーヒーにトマト、キュウリ、レタスのサラダ。
小さなテーブルに、彼女はてきぱきとそれらを並べた。
同時並行で仕事を進め、でき上がる時間はほぼ同じ。
流石に仕事ができる女性だ。
俺は変なところで感心した。
彼女は真っ直ぐに俺を見つめてくる。
俺は、視線をそらし気味になる。
「嬉しかったわ」
と、彼女が言った。
「そう?」
と俺はあいまいに答えた。
「もう、行かなくっちゃ。授業があるんだ」
「食べていかないの?」
俺は、トーストをコーヒーで流し込み、手早く朝食を済ませた。
「ね、合い鍵を頂戴」
「残念だけど、今は手元に無いんだ」
「じゃあ、私が作るから、あなたの鍵を預かるわ」
「イヤ、俺が作るよ」
彼女はここにいるつもりなのか。
突っ走り過ぎではないのか。
俺達は不倫の仲なんだ。
射精しすぎた疲労からか、禁断の道に踏み込み、人生を狂わせてしまったという後悔からか、俺は吐き気が止まらなかった。
第一、中出ししている。
妊娠したらどうするのか。
以前読んだことのある
「青春の蹉跌」
と同じ筋書きじゃないか・・・・。
俺は主張した。
「とにかく、一度お家に帰るんだ。良いね。合い鍵は用意しておくから、電話で連絡を取り合えばいい」
彼女はかぶりを振った。
「イヤ」
普段、聡明で仕事のできる彼女が、どうしてこんなになってしまうのか、俺には理解できかねた。
まるで駄々っ子である。
どうして俺の言うことが理解できないのか。
頭で分かっても、感情が納得しないのか。
女はわからないとつくづく思う。
女房や子供を見ても、そう思う。
小学生までは分かりやすい娘達だが、思春期を迎えると突然変貌を遂げる。
あんなに父親に甘えかかっていた子供が、中学高学年にもなると突然
「お父さんて不潔」
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となる。
分からんと女房に言うと、
「男と女は別人種なのよ・・・」
と意味あり気だ。
が、これはずっと後の話。
とにかく、俺は彼女を家に帰した。
彼女が無断外泊をどうやって護摩化したのか、それは未だに分からない。
説得に時間をかけたので授業には出られず、やり切れなかった。勉強どころではなかった。
中出ししたのも恐怖だった。
俺はSさんに初体験と二度目に中出ししている。
が、それは幸いに命中しなかった。
彼女が出してといったので、出したのだが、それからは膣外射精に決めていた。
今回は四回連続で中出ししている。
彼女が妊娠したら、俺は死のうかと思ったりした。
バカは死ななきゃ直らないとはよく言ったものだ。
Mちゃんには申し訳が立たない。
俺は泣きたかった。
まさしく勉強どころではなかった。
続く
当コンテンツは、個人による創作実話(フィクション)作品とご理解の上鑑賞ください。当コンテンツには、犯罪的・倫理モラルに反する表現・タブー表現等が含まれる場合がありますが、飽くまでも表現上の誇張としてご理解ください。
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