「なにもたもたしてるんだ」
と、上司からこっぴどく叱られてるのは、Sという新米の事務員でした。もっともSの場合は、新米以前の問題で、なにをやっても仕事が人一倍遅く、電話の応対一つ、満足にできないありさまでした。そんな彼女が首にもならずなんとかこの数か月間、会社でやっていける理由はただひとつ、それは彼女のなみはずれた腕力のおかげでした。男子社員でさえ音をあげそうな重い荷物を、一階から二階に上げるときなど、Sはそれを軽々と担いであがることができました。先週も会社の前の溝に社員の車の方輪がはまりこんだときも、彼女の手助けがあったからこそぶじ、もちあがったのだったのでした。
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そんな彼女ではあっても、やっぱり叱られた時にはしゅんとなって、倉庫の隅で肩をおとしてうなだれていることがたまにありました。。
ある時、僕が倉庫に入っていったときも、そこにぽつんとSがたちつくしていました。
「どうしたんだ」
「また叱られました」
「気にしない、気にしない。新米は誰だって、叱られるものだ」
僕は励ますつもりで、彼女の肩をぽんと叩きました。
すると彼女はその手をつかみ、自分の頬に強くすりよせるのでした。
「そんなこと言ってくれるの、あなただけです」
たしかに、僕の同僚の誰一人として、彼女に対して優しい口をきいたところをこれまで一度も見かけたことはありませんでした。涙まじりの目でこちらをみつめる彼女に、僕は同情して、
「今夜どうだい、お酒でもつきあわないか」
彼女はその場に飛び上がって喜びました。
いきつけの飲み屋で彼女と僕は、ビールを、チューハイを、何杯くみかわしたことでしょう、気がついたら彼女がすっかり酔いつぶれて、まともに歩くこともできないありさまでした。
僕は店を出ると、タクシーをよびとめ、一緒に乗りこみました。いくらきいても彼女がなにも言わないので、やむを得ず僕は、自分の住いに彼女をつれていきました。
酔いがさめるまでと思って、彼女を部屋にあげると、なぜかきゅうに彼女は意識をとりもどし、「抱いて」と僕に迫りました。
僕もまた酔った勢いもてつだって、後先のことは何も考えずに彼女を抱いてやりました。
体をからみあわせた二人は、いつしかお互い全裸になって、なおも激しく交わりあいました。
僕の上に、また下になりながらSは、巧みに僕を興奮させては、濃密なセックスをしかけてきました。
会社の仕事はさっぱりでも、こちらの方はなかなかどうして、僕の先手、先手を行く彼女でした。
僕がもたもたしているとすぐに、「さあ、もっとしっかりして!」と彼女の叱咤がとんでくるのでした。
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