彼女が私の部屋にたずねてきたとき、最初は誰かわかりませんでした。
玄関には、よく太った50前後の女性がたっています。私をみて懐かしそうに笑みをうかべるその顔は、どこかパンダをほうふつとさせました。
「あのう、どちらさまで」
「よかったわ。まだこのアパートにすんでいたのね」
彼女はそして、自分の名前を告げました。その名前にはたしかに聞き覚えがありました。
たしか10年前、この部屋でいっしょにすんでいた女です。
私はあらためて女の顔をよく観察しました。
「へえ、変わったね」
「ちょっと太ったでしょう」
ちょっとどころの話ではなかったが、私はあえてそのことにはふれませんでした。
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「何の用です」
「まあ、冷たい言い方ね。あのときのあなたとは思えない」
「そりゃ、10年もたてば人も変わるさ」
それに彼女は10年前、同棲していた私の前から忽然と姿を消してしまったのだから、いい顔をしろというほうが無理というものです。
「過去のことはお互い、言いっこなしよ。きょうはね、お願いがあってきたの」
私は彼女が結構金のかかった衣服をまとっていることに気がつきました。指にはめた指輪も高価なものです。
裕福な男性とでもいっしょになったのかとも思いましたが、過去のことにはふれるなとさっき彼女からいわれたばかりでした。
「お願いとは」
「セックスをしてもらいたいの」
「はあ」
「私ね、体がこんなになっちゃったでしょう。いろいろなダイエットやサプリも試したんだけど、どれも効果なしなの。痩せるためには、体を激しく動かし、発汗をうながすことだとお医者さんからきいて、おもいついたのがセックスなの。あれほど夢中になって動き続けるものはないでしょう。おまけに汗びっしょりかくし。あなたといっしょだったとき、私ほんとにスリムだったわ。あのときは毎日のように盛んにセックスをくりかえしたわね。それをおもいだしてきょう、あなたをたずねてきたってわけ」
「いまあんたは一人なのかい」
「おじいちゃんといっしょなの。金はもってるけど、あっちのほうはさっぱりでね。おかげで私こんなにぶくぶく。あ、ただでとはいわないわ。ちゃんと報酬は支払うから、ねえ、どうかしら」
報酬の金額をきいて私の心は動きました。
そんな私をめざとくみた彼女は、勝手に部屋にあがってきて、襖をあけて布団をとりだし、「さあ、はじめましょう」と、さっさと着ているものをぬぎはじめるのでした。
私もとりあえずは衣服をぬいで、彼女が横たわる布団の中に入りました。
彼女はもう最初からその気になって、そのだぶつく体を強くおしつけてきました。
キスを交してから、彼女の体にふれ、私の記憶のなかにある泣き所を攻めているうち、早くも悶えはじめる彼女を横に、だんだん私も燃えてきたようです。
昔の痩せてしまりのある肉体とは比較になりませんが、脂肪をかきわけながら彼女の芯をまさぐるのもまたそれなりに刺激的で、私はいつしか夢中になって彼女の肉体深くに埋もれていくのでした。。
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