前回の話はコチラ⇒親友とS里、と俺(1)
S里が
「何か恥ずかしいよ・・」
と言ってた。
Tはかなり呼吸が荒くってて、ちょっと震えてたかも知れない。
そして、TはS里のスカートと下着を脱がした。
俺の場所からはS里のその部分がはっきりと見えた。
見えてしまった。
思ったより毛が少なかった。
ただちょっとグロテスクだと思った。
そして、その部分にTが口をつけた。
Tはただひたすら舐めてた。
ふとももを抱え込んでその部分をずっと。
S里は初めて舐められる感覚に戸惑って、目をつぶって、耐えてる感じだった。
俺はその時になるともう悲しさとか悔しさとか通り越して、廃人みたいになってた。
でも悲しい事に興奮して勃起はしてた。
ただオナニーをする気にもならなかった。
それ以上に目の前の現実が怖かった。
俺達が普段、シモネタとして、まるで想像の産物のように話してた、女性との肌の接触。
それをTは今目の前で行っている。
Tの好きな女に。
そして俺の最愛の人に。
そしてその恐れていた瞬間が当たり前のようにやってきた。
Tが服を脱いだ。もう俺と同じように、それ以上に勃起してた。
それを見てS里が少し驚き
「それ入るのかなぁ・・」
と言った。
「多分大丈夫だよ。痛かったら言って」
とTも答えた。
この時Tは興奮で声が震えた。
ただその時S里がさらに続けた。
「ゴム・・ある?」
Tは
「あ・・・いや、ちょっと今無い・・」
と。
少し沈黙が続いた。
俺はこの時正直ほんの少しだけ安堵した。
このまま終わってくれ。
たのむ終わってくれ。
廃人から、少し人間らしさが戻った俺は、必死にそう祈った。
もう祈った。
ひたすら祈った。
そして、俺のその願いはS里の声で断たれた。
「・・外で出せばいいかな・・?まずいかな?」
Tは
「S里がそれでいいなら、俺はしたい」
とこの時ははっきりと言った。
「・・うん分かった。でも好きだからするんだよ。それは分かって欲しいよ・・」
と。
Tは
「もちろん」
と言ってすぐ、S里に激しくキスをした。
そして、一通りまた体を触り、アソコに口をつけ、Tは勃起した自分のモノを彼女のその部分にゆっくり、本当にゆっくりと入れた。
S里がたまに痛いというと少し、止まり、また入れ始める。
それを繰り返し、そして、全て挿入された。
俺はまた廃人のようになり、自分でも気持ち悪いと思ったが、また泣きながら、その光景を黙って見てた。
Tはもう言葉を発さなくなり、ただ腰を振りながら、たまに気づいたようにS里の唇と吸い、胸を触り、ただひたすら腰を振ってた。
S里は
「うっ」
っとたまに痛そうに呻き声を上げたけど、Tはそれを知ってか知らずかそれでも腰を振り続けた。
俺はその時いろんな事が頭をよぎった。
同じ大学の大学生で、童貞で、同じ女が好きで、恋愛に奥手で、俺はTにとても同じ匂いを感じ、今まで親友として過ごしてきて、
まるで同等のように接して来たけど、こいつはミスターコンテストで優勝するくらい美形で、今まで腐るほど女を振ってきた男だ。
良く考えれば、S里がTを好きになる確率の方が圧倒的に高いじゃないか。
俺はその時初めてTとの絶望的な差を気づいた。
同じじゃない。
向こうは希望ある童貞だった。
俺はただの童貞だ。
ずっとTと親友として過ごし、お互い将来結婚でもして、笑いあえる日がずっと続くと思っていたけど、
同じ女を好きになった時点で気づくべきだった。
俺はその時、最愛の人も親友も失った事を確信した。
もう涙も出なかった。
そんな事を思い、もう落ちるとこまで落ちてる俺に気づくことなく、Tは最後の力で腰を振り、その勢いで自分のモノを抜いた。
そして、S里のお腹に射精した。射精した精液がお腹に付いた瞬間S里が
「あっ」
と言いながらビクッとした。
二人は事が終わると、裸で抱き合ったり、キスしたり、笑いあったり、しばらくそのまま過ごしていた。
もうその時俺は絶望感しかなく、何もかもどうでも良かった。
二人が笑いあう寝室に俺はドアを開け、普通に出て行った。
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出て行った直後、TとS里は固まり、そしてすぐ二人で布団を急いで肩からかぶせた。
「え、え、何?どういう事?は?お前なんでいるの?」
とそんな感じでTは焦っていた。
S里は固まったまま、呆然としていた。
そんな二人を尻目に俺は普通に寝室を出て、玄関を出た。
もしかしたらTが追ってくるかもとかすかに思っていたが、追ってはこなかった。
逆に安心した自分がいた。
その後は、ただボーっと歩き家の前についた。
俺はポケットをまさぐって、財布をまた忘れた事に気づいた。
もう取りにはいけない。
俺はそのまましばらく玄関の前で座ってた。小銭で鍵屋を読んだのは30分後だった。
それからは、自堕落な大学生活が続いた。
ただ過ぎてく日々。
そこには恋人もなく、それを笑いあう親友もいない。
あの日から全部変わった俺の人生。
もう戻れないし、どうする事も出来ない。
それからの俺は誰に恋する事もなく、適当に付き合った女性と結婚して今に至る。
最近、TがS里とは違う女性と結婚したと、風の噂で聞いた。
–END–“
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