俺が小学5年生のとき淡い恋物語。
俺は海沿いの町で生まれ育った。
夏休みに入って間もない日のこと。
その日、俺は男友達と海水浴を楽しんでいたが、昼飯の時間になると、友達とわかれて家に向かった。
家に向かう途中、前からよく知っている女の子が歩いてきた。
彼女は藍子(あいこ/仮名)、同じクラスで肩くらいの髪の可愛らしい女の子だった。
俺は軽く挨拶をした。
藍子は、
「そうなんだ、海水浴に行ってたんだね!ところで、明日の夜「みなと祭り」
だね!」
「うん、そうだね。」
「誰かと一緒に行くの?」
俺はうっかり母や兄弟と行くと言いそうになったが、小5にもなってお母さんと行くってのは言いづらく、
「いや、特に決まってないけど・・」
と答えた。
別に特に意味はなかった。
すると、藍子は
「じゃあ、私と行かない?」
思いにもよらない一言だった。
「え、いいの?」
「いいよ!」
俺は明日の何時にどこで待ち合わせか決めると、ルンルンと帰っていった。
そして、その夜。
神社の前の橋で待っていると。
「お待たせ!」
そこには浴衣姿で、綺麗に髪を結った藍子が立っていた。
ニコニコと微笑む笑顔が最高だった。
俺は可愛いらしい藍子に見惚れていた。
俺は藍子とともにお祭りを回った。
当時、藍子は俺より背が高く同じ5年生とはいえ少し大人っぽい感じもした。
また前から気になっていたが、藍子は胸が少し膨らんできていて、浴衣の胸元には小さな二つの丘があった。
途中、射的やクジ、たこ焼きやお好み焼き、綿飴などの出店の前を通った。
お祭りのための小遣いは親から渡されていたが、小学生の小遣いでは限りがあった。
俺は藍子と何を買うか話し合って、買ったものを2人で分け合ったりしていた。
可愛い女の子と2人でひとつのものを食べるのはなんかドキドキして、最後の一口は間接キスになる。
俺たちは照れ笑いしながら向かい合って食べていた。
そのあともお祭りを回る俺たち。
途中で、学校の同級生とすれ違ってからかわれたりもしたが、藍子と一緒にいられる限りはどうでもよかった。
そして、お腹もいっぱいだし、お金もなくなってきたころ、俺たちはお祭りの会場から出て夜道を歩いていた。
当時は、小学生の男女が夜道を歩いていてもそれほど問題ない時代だった。
そして、しばらく歩き人気のない公園にきた。
ベンチに座り一休みし、談笑する俺たち。
話題が尽きることはなくずっと話していた。
気がつくと、距離が縮んでいた。
目の前には可愛い浴衣姿の藍子。
俺は藍子をそっと抱いた。
藍子は抵抗しなかった。
そればかりか、なぜか嬉しそうにしていた。
「○○くん。私のこと好き?」
「うん。好きだよ!」
「嬉しい!私も○○くんのこと大好き!」
俺は興奮の絶頂だった。
俺は藍子をさらに強く抱いた。
目の前の藍子は本当に可愛い顔だった。
こんないい子が俺のことを好きだなんて!
上半身向き合って抱いている俺たちは、お互いの体が服越しに触れていて、藍子の柔らかいところが俺の体に触れていた。
そして、そのあと藍子と向き合って唇を奪われた。
人生で初めてのキスだった。
俺たちは何度も唇をつけたり、離したり、チュッチュしていた。
藍子はキスしながら何度も俺を抱き、藍子の柔らかい胸元が何度も触れ、ときどき顔に触れることもあった。
そのあとも藍子と抱き合った。
また藍子の胸元を少し触ってみた。
まだ小さな膨らみだったが、柔らかくてとてもいい感じだった。
お互いにさわりっこしただけで少しも脱がなかったし、また当時は射精というものを知らなかった。
それでも、藍子と戯れることができたのは今思い出しても最高の思い出だった。
そしてしばらく藍子と戯れたあと、俺は話しながら藍子を家まで送っていった。
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藍子は俺をみて、
「また、元気で会おうね!」
と嬉しそうに送ってくれた。
夏休みが終わり、9月の始業式。
俺は教室で藍子を待っていた。
あの日以来藍子に会うことはなく、また当時はメールなどの連絡手段もないため、学校以外で好きな女の子に会う機会というのがほとんどなかった。
どれくらい待っても藍子が教室に現れることはなかった。
そして、先生が教室に来て朝の会が始まると、
「藍子が転校したこと」
を聞かされた。
家庭の事情で引っ越すことになり、夏休みの急な出来事だったので、クラスにお別れする時間もなかったそうだ。
俺は目の前が真っ暗になった。
あんなに仲良くなったのに、もう会えないなんて。
藍子がどこに行ったのか、引っ越す事情が何だったのか、俺には全く分からない。
藍子とその後、会うことは二度となかった。
あの日の藍子との思い出はずっと忘れない。
-END-
『からから(44歳・♂)』さんからの投稿です
ありがとうございます。
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