3月の連休を利用して、気になっていた他県の美術館に行った時の事です。
フェリーは空いていて、私の入った二等室の船内は中年の夫婦と、バイクツーリングをしていると思われる男性二人組と、通路を挟んで向かいに寝ころんだ若い男の人だけでした。
私は一人、というものにあまり抵抗が無く、知らない街でも地元の街でも平気で一人で歩き回れる図太いタイプだったので、乗り込んですぐに毛布も取りに行かず眠り込んでしまいました。
私はその後4時間眠り続け、起きたのは夜の8時過ぎでした。
私はお風呂に行こうと思い船内をうろついていました。
途中見知らぬおばさんに声をかけられ、ついでにと思いお風呂の場所を聞くと、おばさんは
「お風呂はこの階ですよ。ここ行って奥を右・・」
「いや、風呂は2階やった気が。」
言い終わるより先に、側のソファに座っていた男の人が訂正しました。
その人は同室の向かいに座っている人でした。
「え、2階ですか?」
聞き返すとその人は
「あ、俺案内したるよ」
と立ちあがって歩き出しました。
「え、幾つ?」「え!!17!?若っっ!!」「一人旅?偉いなぁー」
足取り軽く階段を登りながら、その男の人は質問をしてきて、すぐに言葉で関西の人だ・・と気が付きました。
「めっちゃ暇やねん。何もないからなー。フェリーの中」
「そうですねぇ、私もずっと寝てました。」
「せやなー自分ずっと寝てたやろ。そや、風呂上がったら話さへん?」
部屋で見たその人は、気だるそうで、今話している人とはまるで別人の様に見えました。
お風呂から上がると、その人は部屋のドアの前に座って待っていました。
私に気が付くと少し笑い、私は自然に彼の横に座りました。
他愛の無い話をして、その時彼が19歳だと知り、てっきり23位かと思っていたのでビックリしました。
その事を言うと、
「現場に出てたからな・・。けど4月から大学行くねん。働きながら勉強して、まぁ、受かってん。なぁ場所変えよか。外でるか!?」
(スローペースでごめんなさい。関西弁もあっているのかどうか・・続けさせていただきます・・。)
外は風が強くて、手すりにつかまって何となく話をしていました。
私は自分が見ず知らずの男の人(お兄さんというより、兄ちゃんといった感じ)とごく自然に話をしている事を不思議に感じていました。
彼は確かに軽そうだけれど、とろんとした喋り方、それが不快とも思えぬ独特の人の良さ、僅かに堕落した雰囲気が私を和ませてくれていたのかもしれません。
私は普段ならまず彼のようなタイプの男性には近づかなかったと言えるのに。
「手、寒ないか?ポケット入れてみ?」
ポケットはそんなに温かくなかったけれど、何だか嬉しかったです。
気をつかっている風ではない傷んだ髪が風になびいていました。
私の髪を、いいなぁと撫で、本当はストパーをかけてるけど黙っていました。
顔を上げたら・・絶対にキスされる。
私は眼下に広がる真っ黒い海を頑なに眺めていました。
彼は煙草を落としちゃお。とか何とか言いながら海に落とそうとしました。
私は一瞬彼に嫌悪したけれど年上に説教するのも気が引けてだめだよ・・と小声で言うと、
「ごめんごめん、でもきれいやで見てみ」
と言い海に落としました。
赤い火の残る煙草は、確かに少し綺麗で彼は肩に手を伸ばし、私は彼と密着するような体勢になっていました。
彼は頬にキスをしてきて、キスしちゃった!と陽気に笑い、私は生意気にも行きずりの・・ってこういう事なのかなぁと呑気に考えていました。
そして正直に、
「年上の男の人ってこういうの得意なの?」
と聞きました。
「まぁ、女ん子よりはな。」
誰にでもするのだろうか?
顔が近づいてきて、私は下ばかり向いていたけれど、彼は少ししゃがみ下唇を甘噛みしてきました。
にゅるりと舌が入ってきて、音をたてない丁寧なキスでした。
私は2歳違うだけでこんなにキスが上手なのかーとかディープキスがこんな風なものなのかーと感心していました。
緊張するか?少し嬉しそうに彼は訪ねてきて、私は確かに緊張しているけれど、それはほんの少しであって、
「ハニカミみたいで何か面白い。。」
と謎な返答をしました。
彼は何度かキスをくり返してきて、歯の裏を舐められたりするのが何だかおかしく感じたり、この人はキスをするよりも、キスした後の優しい目が一番色っぽいなと考えていました。
場所を移して、探検と称して船内を歩き回りました。
一緒にソファに座ると彼はすぐにキスをしてこようとしたり、指を絡めて肩を寄せたりしました。
周りの人には妙なカップルと思われたかもしれません。
私は慣れない事をまとめてしている気がしました。
彼は私の人さし指をとり、口の中に含むとゆっくりとしゃぶり、多分私はこの時すごく恥ずかしくてドキドキしていたと思います。
同い年の男の子は、こんな事をすることはまずないと動揺していました。
しばらくこんな事をくり返していました。
「暗いとこ、いこか?」
彼は私の手をとり、目をじっと見つめて言いました。
私はやられる!!と本気で思いました。
同時に恐怖も。
ここまでただされるがままに流されていたけど、それだけは嫌だと、私は懇願するように、というか半分泣き声で
「嫌や!Hは嫌や。。」
と言いました。(今更)
Hだけは別物だと、処女は20まで。という、私の中での絶対的な決めごとがあったのです。(でもこの時はただこわかった。)
彼は少し驚いたようだけど、大丈夫、大丈夫やからと、頭を撫で、私は嫌だ嫌だと下を向いて頭を横にふりました。
私自身男っぽいので、このような態度はあまりに女女していて嫌だけれど本当に男の人を拒む時、私はこんな風になるんだなと色んなところから来る悲しさに包まれながら、彼に
「本当やだ。恐い。」
と言いました。
「大丈夫、Hはせえへん。大丈夫やから。な?」
優しくて、あまりにその台詞と不釣り合いな彼の声に、私は何となくほだされて、男子トイレに手を引かれていきました。
個室は不清潔で、不安倍増。これはもうアウトなのかもしれない、でも本当に嫌がれば、彼は絶対に解放してくれる、という半々でした。
彼が洋式の便座に座り、私は彼の膝に座るようにして、
「おっぱい揉んでもええか?」
と、小声で囁き、私は絶対に見ないで、とたのみ、
「うん、絶対見いひん」
とやりとりをして、服の上から優しく、時々強く力を入れて揉まれました。
「ブラ、外してもいい?」
彼は時々強く乳首をつまんだり耳を舐めたりして、私はもう力も抜けて彼に寄りかかるような形になっていたのですが、耳元で聞こえる彼のかすかな、はぁ・・はぁ・・という声?吐息に少し興奮しました。
「お願いがあるんやけど、、おっぱいなめさせてくれへんか?」
おいおいおいおいおい。
新境地でした。
これにはかなり抵抗しました。
「大丈夫絶対目開けへん。」「約束する。」
初めてのその体験は何だかくすぐったくて、気持ちいいという感じとは違ったけれど彼の
「気持ちよくさせたいんや」
という言葉や、真下にある彼のちょっと幼く見えた顔が印象的でした。
私はしゃがみ、彼を見上げる体勢になった時、彼は
「○○ちゃんはええ子やな」
と言いながら、チャックを下ろして、小さな声で
「俺のおっきくなったの触ってくれるか?」
といいました。
きた・・。
私は、セックスや先ほどの舐める系全般は未経験なのにフェラというものは一度経験した事があったのです。
誘導された手は最初はトランクスの上から撫で、闇雲に触る事から、握り、直にそれを上下させて、という風な流れでした。
「見るの初めて?気持ち悪いやろ?」
「ううん。」
私はそれ以上答えず、やっぱり勃起はカチカチって訳じゃないんだな、ちょっとだけ柔らかい感触なんだな、と慣れない手つきで上下していました。
私が手を止めると、彼は私の指を舐め、舌を絡めてしてみて?と、目で訴え、手で私の口元に近づけてきました。
少し鼻につく匂いは、逆に私の気持ちを吹っ切らせる何かの様で、いやらしいなと感じました。
最初に先っぽだけぺろっとなめて、その回りも少し舐めて彼のするように舌を真似て動かしました。
初めてした時は、頭を押さえられて、喉の奥に突き刺さるようで苦しく、ちっともよかったと思えなかったのですが、彼は頭を撫でたり胸をもんだり、私が苦しくないようにしてくれていてありがたかったです。
私の指はいつの間にか握られ、次第に彼の私にだけしか聞こえないような
「うん。。」
とか
「はぁ。」
とか小さなため息などに変わっていました。
「めちゃめちゃ気持ちいい」
彼は私をどんな風に見下ろしているのかな。
私は頑張って休まず舐めました。
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時々もう本当に疲れてしまった時に口から出して、一瞬休憩をとって上を見上げると彼は眠そうな優しい目で私を見ていて、本当に私を好きになってくれているみたいで嬉しくて、頬に彼のものを当てて上を見上げる事がすごく楽しみになっていました。
途中トイレに誰か入ってきて、私は音を立てないようにしゃぶりました。
多分そのトイレの人は、私たちに気づいていたと思われ、私たちが出て行くまでずっと個室の中にいました。
(彼は気付いてなかったかもしれませんが)
「あ・・○○ちゃん、気持ちいい」
その頃あたりから彼の声に余裕はなく、小声で、ああ、とかあっなど、
「イキそう。。」
と言ってからしばらくして
「出る。あ、出る出る。どないしよ」
と掠れ声で私を制し、ぐっと自分で掴んで手の中に精液を出していました。
半透明というか、白っぽくて、少しきれいに見えました。
私は自ら手に取り、それを触っているとピンクっぽいそれは裏側の下の方が、ビクビクッと動いていて生き物みたいで面白いと思いました。
実質的にやったのはここまでです。
この後キスをして、また雑魚寝の部屋に戻って、3時間後に朝を迎えました。
別々に寝て、私は朝になると彼を少しすきになっていた事に気付いたけれど、その後バスに一緒に乗って、あっけなくお別れしました。
駄文の割に長文、つまらなかったかもしれませんが読んでいただきまして嬉しく思います。ありがとうございました。
この旅で出会った彼との思い出は、忘れないと思います。
私にとって、いやらしい事より、その他の何でもないカップルの様なわずかな時間の中での幸福なやりとりの方がいい思い出になりました。
いささか刺激不足でしたが、これにて完結します。
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