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「ビックリした!起きてたの?」
「すいません、驚かせちゃいました?アハハ」
「寝てるのかと思った、寝息たててたし」
「眠れるわけないでしょう?」
「そりゃそうだよねぇ、ごめん」
「もうやめましょう、お互い様ですから」
本音を言えば奥さん今日が危険日なのかどうかとても気になった。
聞いちゃいけないような気もするが聞くのがマナーという気もする。
どっちが良いんだ。
「風呂行こうと思って」
と言ってタオルを持った手を上げようとして慌ててやめた。
勃起したチン○がパジャマから盛り上がっているのが見えたからだ。
「もうやってないでしょう?」
「いや露天風呂の方、俺足悪くてまだ一回も行ってなかったから、行った?」
「ううん、でもあそこ昼でも崖があって怖いくらいなのに・・・」
「それくらいでいいんだ、何か修行僧になりたい気分だからw」
「アハハ、分かります分かります、ああ私も行っちゃおうかな」
「ええ?崖から落ちても責任はとれないよ」
「病み上がりの人に言われたくないなぁ」
「ま、いっか一人落ちたらもう一人が助け呼べば良いんだし」
屈託無く笑う奥さんは美人という訳ではないけど、とにかく笑顔がよくはえる人だった。
恐る恐る玄関を出てサンダルをつっかけるとヒンヤリとした冷気が爪の先まで染み込んできて、出てから第一歩目で既に気持ちが萎えかけてきた。
少なくとも奥さんに対する見栄がなかったらすぐにでも退散していた事だろう。
心許ない光しか放たぬ電灯を頼りに苔むした石の階段を一歩一歩降りていった。
寒さで手術した箇所がズキズキ疼いた。
でも奥さんが居る手前、自分から撤退を言い出す訳にもいかない。
何やってんだろ俺。
「寒~い!こわ~い!」
奥さんが思わず声を漏らした。
「やめよっか?」
と言う言葉の中に奥さんの、うんやめますという返事を期待していたのは言うまでもない。
しかし奥さんは
「ううん大丈夫」
と言ってむしろ俺より目がらんらんとしているのだから女は本当に強い生き物だと思う。
とにかく谷底に落ちる滝のドドドドという音がまるですぐ傍で聞こえてきているようで、それが怖くて仕方がなかった。
でも、そうそう月はちゃんと出てたから、奥さんが満月ですねと言ったのを覚えてるから真っ暗闇ではなかったと思うのだが、でもその光は谷底の滝を照らし出すほどの強い光ではなかったという事だろう。
永遠とも思えたその露天風呂への道のりも着いてしまえば何だこんなものかと思ってしまうのだから人間の心理というのは不思議なものだ。
俺たちはとりあえず男女に別れ脱衣所に入った。
脱いでしまえば、一刻も早く湯船に浸かってしまわないと居られないほど刺すような寒さで俺は掛け湯もせずに慌てて湯船にドブン!と入った。
「うわぁ!寒いぃ!」
と声をあげながら。
「キャァ凍死しちゃう!」
と岩の向こうから奥さんの声。
間髪入れずにドブン!というお湯の跳ねる音が聞こえてきた。
男湯と女湯は160センチくらいの岩に隔てられているだけで、180センチの俺が立つと女湯の向う側が見えてしまうような頼りない仕切だった。
「ハァ、良い気持ち・・・」
と言いながら空を見上げると白い雲が目の前の森を右から左へ流れていくのが見える・・・。
相変わらずドドドという滝の音。
うるさい。
「ああ、もっと早く来れば良かった、もったいない事しちゃった」
と奥さんの声。
「朝とか夕暮れ時の方が綺麗だよねきっと」
「悔しいぃ!朝もうひとっぷろ浴びに来ようかしら」
「コケて足の骨折らないでね」
「私は夫と違ってヤワじゃないですっ」
「悪かったねヤワで」
そんな話しをしてると、さっきのあやまちが嘘のようで、いやいやもうこのまま無かった事にできる、そう確信した。
いい加減に体が温まってきて、平泳ぎで湯船の一番奥まで進んでいった。
驚いた。
岩の仕切は3メートルくらいしかなくて、何と奥は女湯と繋がっていたのである。
一瞬、岩の浴槽の縁に腰掛ける奥さんの裸身が見えて目が合って固まった。
「キャァ!」
と声をあげると奥さんは再びドブンと湯船に入った。
「繋がってんのかよ!」
「嘘でしょう?」
と言いながら奥さんは胸元をタオルで隠しながら驚愕の声をあげる。
「仕切ってる意味ないじゃん」
「ほんと、何考えてんのかしら」
と言いながら顔を見合わせて思わず噴き出した。
奥さん胸元はタオルで隠せているが、湯船の中の下半身は隠しきれず、ムッチリとした太腿とその付け根の三角地帯が月明かりに照らされてハッキリ見えた。
さっきあのなかに自分のチン○を・・・という思いが抑えようとしてもどうしても沸き上がってくる。
勃起した。
思わず目を伏せた。
「満月ですね」
と奥さんが言ったのはその時の言葉だ。
伏せた目を上げると確かに満月だった。
「幻想的だな」
などとおよそ自分らしくない言葉が出てしまうほど本当に幻想的な景色だった。
まるで東山魁夷の絵の中に居るような・・・。
照れや恥ずかしさも忘れて奥さんと並んで月を見上げた。
自分の股間をそっと見やるとタオルをチン○が垂直に押し上げテントを貼っている。
もはや隠しようがない。
なるようになれだ。
俺は中途半端に隠すのがばからしくなって股間にあてていたタオルを浴槽の縁に乗せた。
そして、しばらく素知らぬふりをして空を見上げていた。
ふと奥さんの横顔を覗き見た。
もう空を見つめてはいない。
さっきまでの笑顔が消えていた。
困ったような顔をしている。
俺の欲情の証を確認したのだろう。
俺はなるに任せた。
ゆっくりと彼女が着く手の指に自分の指を近づけていった。
彼女が逃げる素振りを少しでもしたらすぐさま止めるつもりだった。
ツン・・・と指先が彼女の小指に触れた。
心臓が高鳴って口から飛び出しそうな程だ。
でも彼女は身動きしなかった。
指を動かす素振りを見せなかった。
俺はゆっくりと彼女の柔らかい手に自分の手を重ねていった。
ぎゅっと握りしめる。
彼女の手にも僅かに力がこもった。
それを確認すると衝動を抑えきれなくなった俺は彼女を強引に抱き寄せ、本能に任せ唇を重ねた。
岩場で彼女の背中を傷つけぬよう気遣いながら自分の腕で背もたれをつくり、彼女の体に圧し掛かる。
そして彼女の両足の間に再び体を入れると前戯もなしに漲るチン○を挿入した。
「アアア!」
という奥さんの叫び声。
しかしその声すらも滝の爆音がかき消していく。
奥さんの体が反り返る。
さっきは暗がりで見えなかった奥さんの乳房が盛り上がりハッキリ見えた。
対面座位のまま何度も腰を掻き回し奥さんの感触を確かめ、確かめつつ乳房にむしゃぶりついた。
チャプチャプと湯船が波打って大げさな音をたてた。
存分に奥さんの肉感を確かめると一度挿入を解き、背後に回った。
俺の意図を察した奥さんは浴槽の縁に手を着き尻を持ち上げ挿入に備える。
股の間の縮れ毛からポタポタと粘り気を帯びた滴が湯船に落ちていく・・・。
俺は自らのチン○の根本を掴むと彼女の入り口にあてがった。
挿入を敏感に感じた彼女は姿勢を低くし体を仰け反らせる。
すると背骨が凹み肩胛骨が盛り上がった。
そのまま亀頭が入り口をこじ開けると再び柔らかい肉が俺のチン○を包み込んでいく。
今度は妻としてではなく人妻として、俺は奥さんの感触を味わった。
俺は奥さんの尻を俺の下腹部に引きつけると強く腰を振った。
パンパンと肉の弾ける音がし、奥さんの柔らかい肉が何度も波打った。
俺はさっきこれまで感じたことのない異常な欲情の正体をこの時理解した。
男は本能として新しい畑に種を撒きたがるのだ。
おそらく暗がりの中で意識としては気づいてなくても、体が本能としてそれが新しい畑である事に気づき異常なまでの性欲を駆り立てたのだろう。
このメスを孕ませろと。
俺は月光に照らされる彼女の尻にしがみつきながら夢うつつで満月を見つめていた。
満点の星空だった。
その向こうの宇宙まで透けて見えそうなほど小さな星まではっきりと見えた。
奥さんは滝で声がかき消されるのを良いことに、あらん限りの声で喘いだ。
ああ何でこんなになっちゃうんだろう私、と叫ぶ彼女の姿は屈託のない普段の笑顔とはかけ離れていて、その乱れっぷりにむしろ俺の方が気圧されるぐらいだった。
バックに飽きると男湯と女湯を中途半端に隔てる意味不明な大岩に手を着かせ、立ちバックに移行した。
体が冷えてくるとそのまま湯船に身を沈めて座位のまま月夜を見つめて暖まるのを待った。
湯船に浸かりハメたまま星空を見つめていたら
「何か私たち獣みたいね」
と言って奥さんが笑っていたのを思い出す。
「どうして」

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と言いながら背後から乳房を揉みし抱くと
「だって野外でこんな事して、まるで獣の交尾みたいじゃない」
と言いながら彼女がクスクス笑っていた。
どうやらさっきの何かに取り憑かれたような興奮状態からはお互い脱したようだ。
いい加減体が火照ってくると再びハメたまま身を起こし今度はその大岩に寄り掛からせて駅弁スタイルに切り替えた。
「いろんなの知ってるのね」
と言いながら彼女も興味津々なようで俺の要求に快く応えてくれる。
木製の足場に横たわって騎乗位をしてみたのだが、これはすぐ寒くなってやめた。
「うわぁ!ダメだダメだこれは」
と言いながらドボンドボンと二人で湯船に飛び込んだ時は大笑い。
結局最後は対面座位に戻ってキスをしたり胸を吸いながらながらゆっくりセックスを楽しんだ。
そして上と下の口で繋がりながら、わずかに睾丸に残った精液を彼女の中に注ぎ込んだ。
萎えても何度も何度も名残を惜しんで俺を包み込んでくれている彼女の肉の感触を味わった。
ようやく終わって足下がおぼつかなくなりながらも、妻と長澤さんの旦那の眠る部屋に戻るとまだ二人は全く同じ姿勢で爆睡していたので、そのまま二人で俺の部屋に戻って寝る事にした。
そこでもう一回セックスをして、そのまま朝まで爆睡した。
もちろん頭と足を逆にして離れて眠った。
妻と長澤さんの旦那が先に起きていて、どうして二人でこっちで寝てるのか聞いてきたから起こそうとしても全然起きないからしょうがないからこっちで寝たんだと言うと、何の疑いも持たれず完全に潰れちゃったからなぁ・・・と言いながら旦那さんが頭を掻いてて安心した。
こっちは意識しそうだったがやっぱり女は強い、まったくいつもの奥さんに戻っていてわざとらしい仕草などいっさい見せずに振る舞ってくれていたので俺も自然に振る舞う事ができた。
電車で別れ際にお互いの住所と電話番号を聞いて、きっとまた合おうとか、また旅行に行きたいねとか涙ながらに別れを惜しんだのだけれど、結局は年賀状のやりとりを数年繰り返しただけで、こっちが引っ越した事もあり完全にやりとりがなくなってしまった。
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